第5話 ゲームへの誘い

 翌日の朝早く、豊のパソコンにメールが届いた。差出人はアトカースとなっている。

「……ロージナ、アトカースからのメールを読み上げて」

 パソコンの画面上のロージナは敬礼をする。

「了解です。……前略、AIエーアイロージナがインストールされたパソコンを持っている諸君。アトカースだ。諸君らとのゲームを開催することにした。ついては、明日の十九時にカフェ・ハッピークローバーに集合されたし。敬具」

「明日、アトカースとゲーム?しかも、僕と同じパソコンを持っている人間が集まるって?」

「そのようですね」

 ロージナは、腕を組んで困った顔をしている。

 豊は、この前の中原泰裕なかはら やすひろのことを調べたのが空振りに終わって、どうしようか悩んでいたところだ。渡りに船って奴だ。参加しない手はないだろう。

「よし、明日行こう。ロージナはカフェ・ハッピークローバーの場所を調べておいて」

「了解です。……先日行った株式会社ハッピー・クローバー・エンジニアリングの近くです」

 ようし、願ってもいないアトカースとの直接対決だ。何とかアトカースとLOSERルーザーシステムを止める方法を探り出してやるぞ!

 豊は気合を入れて、……二度寝するためにベッドに潜り込んだ。

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