第4話 ハッピー・クローバー・エンジニアリング
翌日。久しぶりに外に出て、あれだけ動いた反動だろうか。豊は大半の時間を寝て過ごした。
その翌日。やっと動けるようになった豊にはある考えが浮かんでいた。
豊たちは、
そう考えて、豊は沙羅にロージナ経由でメールを送った。「良かったら一緒に
沙羅からはすぐに返事が来た。簡単に言うと「一緒に行っても構わない」という内容だった。
そのまた、翌日。豊と沙羅は
株式会社ハッピー・クローバー・エンジニアリングというシステム開発の会社だ。豊と沙羅は、その会社の出入り口で出て来る人を捕まえて
しばらくすると、ビルの出入り口からバラバラと人が出て来る。
豊と沙羅はその中から人当たりが良さそうな人を選んで、声を掛けた。
「すみません、ちょっとお聞きしたいんですけど」
「はい、何です?」
その男性はビシッとスーツを着て、いかにも仕事ができそうな印象を受ける。豊の経験上、身だしなみがちゃんとしている人は仕事もできる。
「
「
「そうです。どんな人でした?」
男性は怪訝な顔をして、豊と沙羅を見る。
「何?あんたら、新聞記者かなんか?」
「いえ、違います。最近知り合ったんですが……」
「ふーん」
男性は怪訝な顔を崩さないが、一応答えてくれた。
「
「あぁ、この業界によくいるタイプですね」
「おっ、君もこの業界?そう、よくいるでしょ。どっちかっていうと、もう古いタイプのプログラマだよ。今時、コミュニケーションぐらい取れないとねぇ」
「そうですね。あ、友人っていました?」
「中原に?まさか。僕が知る限りはいないね」
男性はそう言って笑いながら、立ち去ってしまった。
その後も、同じビルから出て来た何人かを捕まえて話を聞いたが、返って来るのは同じような内容ばかりだった。
「うーん、これ以上聞いても……って感じね」
それには豊も同意見だった。
「そうだね。……無駄なことにつき合わせちゃってごめん」
それに沙羅は首を振る。
「いいわ。少なくとも少しは
友人がいなく、仕事は黙々と作業するタイプ。それが、
「じゃあ、また、何かあったら連絡して」
そう言うと、沙羅は駅に向かって歩き出した。
豊も大きなため息を吐いて、駅に向かって歩き出した。今、この瞬間にもアトカースは
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