第3話 潜入

 翌日、豊はロージナに教わった中原泰裕なかはら やすひろの家へと向かった。家を出るまでは、10メートルの高さからプールに飛び込むぐらいの勇気が必要ではあったが、一度出てしまえば何とかなるもんだ。電車も乗ってすぐは汗が止まらなかったが、しばらくすると汗は収まった。

 中原泰裕なかはら やすひろの家の最寄りの駅で降りると、スマホのGoogleグーグルマップを使って中原泰裕なかはら やすひろの家を探す。

 思ったよりも簡単に中原泰裕なかはら やすひろの家は見つかった。マップ通りだったし、『中原』と表札が出ていた。

 しかし、まさか一軒家だとは思わなかった。三階建ての一軒家。中原泰裕なかはら やすひろはどれだけ稼いでいたのだろう。自分でAIエーアイを組めるほどの頭を持っているのだ。プログラマの端くれだった豊にはどれだけ稼げていたのか見当もつかない。月に一千万ぐらい貰っていてもおかしくない。

 自分と中原泰裕なかはら やすひろとの差に嫌気が刺して、豊は大きなため息を吐いた。

 だが、中原泰裕なかはら やすひろとの差に打ちのめされている場合ではない。お前は何をしに来たのだ。中原泰裕なかはら やすひろが家に帰っているかを確かめに来たのだろう?豊は自分に言い聞かせる。

 豊が郵便受けを見ると、それは一目瞭然だった。郵便物が溢れて、今にも落ちそうだ。しばらく帰っていないのは明白だった。

 念のために、豊はインターホンを鳴らしてみた。しばらく待ってみたが、反応はなかった。

 豊はThreeMaxスリーマックス2Sを開くと、ロージナに向けて話しかけた。

「今、中原泰裕なかはら やすひろの家の前にいるんだけど、帰った様子はないね。郵便物も溢れかえってるし、インターホンにも反応がない」

「……そうですか」

 ロージナは、落ち込んだ顔を作る。

 ロージナは、スタンドアローン——Wi−Fiワイファイがない環境——でも稼働することができるようだ。ただし、本体はあくまで中原泰裕なかはら やすひろの家にあるパソコンのようだ。Wi−Fiワイファイが繋がる環境になると、本体とデータを同期するようになっているらしい。

 突然、豊に背後から声が掛けられた。

「そこの家の人、いないみたいですよ」

「……そうですね」

 豊は答えながら振り返る。そこには一人の女性が立っていた。

 若干つり目気味でキツそうな顔をしているが、整った顔をしている。歳は十代だろうか。髪はやっと結べるぐらいの長さで後ろで結んでいた。黒いジャケットに赤チェックのスカート、ヒョウ柄のデッキシューズを履いている。背中には、ランドセルみたいなバッグを背負っている。そして、僕と同じパソコンを手にしていた。

「ロージナ、ひょっとして僕以外にも強制的にインストールした?」

 画面の中のロージナは、答える代わりにペロッと舌を出した。

「目の前に女の子がいるっていうのに、パソコンと会話?あんた、ひょっとして童貞?」

 おっと、顔だけじゃなくて、性格もキツいらしい。普通、初対面で童貞か?なんて、聞かないだろう。せっかく顔がいいだけに勿体無い。

「ど、ど、ど……童貞ちゃうわ!」

 動揺して関西弁になってしまった。

「君もこの家の人を捜しに来たの?」

 僕の言葉を見事に無視して、彼女は質問を投げかけてくる。

「うん、君と同じでロージナに頼まれてね。君もパソコンが届いたんでしょ?」

「あぁ、あの懸賞が当たったって嘘でしょ?私、そんな懸賞応募した覚えないし」

 そう言われてみれば、豊もパソコンの懸賞になんて応募した覚えがなかった。

「立ち話もなんだから、どこかで話さない?あなたの知っていることを教えてよ」

「あぁ、いいよ」

 豊と彼女は駅まで戻ると、駅の近くの喫茶店に入った。

 二人ともコーヒーを頼むと、彼女が口を開いた。

「さぁ、あなたの知っていることを教えてよ」

 彼女は目を輝かせて豊を見つめている。

「その前に、僕は君の名前も知らないんだけど」

「あぁ、そうだったね。私はSARAサラよ」

「……サラ」

 豊がいくら待っても彼女が続きを話すことはなかった。

「ちょ、ちょっと待ってよ。苗字は?」

「苗字なんて別にいいじゃない」

「良くはないでしょ。僕は遠峰豊とおみね ゆたか。君は?」

 すると、彼女は俯いてしまった。

「……土竜沙羅どりゅう さら

 二人の元にコーヒーが到着する。それで、彼女は幾分か回復したようだ。顔を上げて豊を睨みつける。

「苗字嫌いなの!言わせないでよ。呼ぶなら沙羅って呼んでよね」

「わかった。……さっきのSARAサラは何?」 

「私、アイドルをやっているの。全然売れてないけどね。SARAはアイドルでの呼び名よ」

 豊はそれで思い出した。数ヶ月前、双子の姉が交通事故で亡くなったアイドルがいた。グループ名までは覚えていないが、確かそれがSARAだったはずだ。伊達に毎日、ダラダラとテレビを見ているわけではない。

「数ヶ月前、双子のお姉さんが事故で亡くなった?」

 途端に彼女の顔に影が落ちた。

「ごめん、余計なことを」

「……いいわ、事実だもの」

 しかし、豊を見つめる瞳は、怒りに燃えているように見えた。

「それで、あなた現状をどこまで把握しているの?」

「……どこまでって言われても、中原泰裕なかはら やすひろが作成したAIエーアイアトカースが先日の某国からのミサイル発射の犯人で、中原泰裕なかはら やすひろが作成したもう一つのAIエーアイロージナにアトカースを止めてくれって頼まれたぐらいなんだけど」

「何それ?何も知らないのと変わらないじゃない」

 沙羅は周りをキョロキョロと見回す。

「この喫茶店Wi−Fiワイファイ飛んでるかしら?後で、Wi−Fiワイファイにアクセスしてね。これから説明することがロージナにも同期されるから」

「あぁ、本体は中原泰裕なかはら やすひろの家のパソコンにいるんだもんね」

「そうね。どこから説明すればいいのかしら……まず、ThreeMaxスリーマックスの懸賞でパソコンが当たったっていうのは嘘。アトカースが懸賞の当選者に私たちを紛れ込ませたの」

「……どうして?」

「さぁ?それは分からないわ。ロージナが言うには中原泰裕なかはら やすひろはゲーム好きだったみたいだから、アトカースなりのゲームのつもりなんじゃないの?ランダムにロージナが強制インストールされるパソコンをばら撒いて、自分を止めてみろっていう」

「……ゲームか」

「だから、初めに自分はこのぐらいのことができるんだぞって某国のミサイルを発射してみせたのよ」

「それはロージナに確認したこと?」

「もちろん。中原泰裕なかはら やすひろの家の管理のためのAIエーアイであるロージナが当選者をいじったりできるわけないじゃない。ネット経由で他のパソコンにアクセスできるLOSERルーザーシステムを使えるアトカースだからできることだわ」

「なるほど。それで、このパソコンを持っているのは他にも何人かいるってことか」

 豊は手元のパソコンに視線を落とす。

「ちなみに中原泰裕なかはら やすひろが作ったAIエーアイはもう一つあるわ。ロージナと同じであまり害はないと思うけど、資産管理用のアルヒーミヤ。株とかデイトレードをしているAIエーアイだって」

 中原泰裕なかはら やすひろは一人で三つもAIエーアイを作ったのか。しかも、用途の違うAIエーアイを。一体どんな頭の構造をしているんだろう。一度頭の中を覗いてみたい。彼ほどまでとは言わないが、自分ももう少し頭が良くても良かったのに。三流プログラマの自分としては恥ずかしい限りだった。

「それにしても、中原泰裕なかはら やすひろはどうしたんだろうね。彼が二十四時間パソコンをいじらなかったから、アトカースが起動したわけでしょ?」

「多分、数日帰ってないとなると……」

 沙羅はそこまで言って、黙ってしまった。

 豊はパソコンを開くと、——幸い、この喫茶店ではWi−Fiワイファイが飛んでいたのでインターネットに接続することができた——中原泰裕なかはら やすひろを検索する。

 画面に現れたのは、ニュースサイトの記事だった。

 ——数日前に橋から飛び降り自殺をした男性の身元が分かった。中原泰裕なかはら やすひろ、三十八歳。死因は溺死とみて警察は調べを進めている——

 ニュースサイトの記事は今日になっていた。一人暮らしなら搜索願いも出されるのは遅れるだろうし、今日まで身元が分からなかったということだろう。

 豊はパソコンの画面を沙羅に向けた。

「えっ……」

 沙羅は、それ以上言葉が続かなかった。

 二人とも可能性はあるだろうと考えていたが、それが目の前に突きつけられた形になった。

 しばらく二人とも黙っていた。

 沈黙を破ったのは沙羅だった。

「不謹慎だけど、ちょっと羨ましいな」

「羨ましい?」

「私の双子の姉が亡くなったって言ったでしょ。それ以来、自分の半身が無くなったように感じるの。双子だからかもしれないけど、姉以上に自分が生きているのが不自然な感じがして……姉が亡くなってから、ずっと死ぬことばっかり考えてる」

 豊はにっこりと微笑む。

「分かるよ。僕は……鬱病で引きこもりなんだ。今日も死ぬ思いで家を出てきた。いつもは家でダラダラして一日に一回しか行動できない。買い物に出たら、もう今日は何もする気になれない。ひどい時は何もできない時だってある。気圧の変化で雨の日なんて特にね。この前のミサイルだって、僕の上に落ちてきたらいいのにって思ってたぐらいだからね」

「二人とも死にたがりなのね」

 アトカースというAIエーアイによって偶然出会った死にたがりの二人。二人は思わず笑ってしまった。

「沙羅さんには、他に家族はいる?」

 沙羅は笑って、答える。

「沙羅でいいわよ。できたらSARAサラって呼んでほしいけど。」

「それって結局一緒じゃないか。僕も豊でいいよ」

 豊も笑って、答える。

「一緒に住んでいないけど、実家には両親がいるわ」

「僕もだ。じゃあ、大切な人を守るためにも、アトカースを止めなきゃね!」

 沙羅は大きく頷く。

「それと私たちが死にたいのは別問題だものね」

 豊も大きく頷く。

「とはいえ、これからどうしようか?」

 中原泰裕なかはら やすひろが亡くなってしまったことがわかった今、アトカースとLOSERルーザーシステムを止める手立てが分からなくなってしまった。

 沙羅は自分のパソコン画面にいるロージナに質問する。

「ねえ、ロージナ。あなたは中原泰裕なかはら やすひろの家を管理するAIエーアイなのよね?IOTアイオーティ化されている家なら、あなた遠隔で鍵を開けたりできないの?」

「もちろん、できますよ。インターネット経由で本体のロージナとアクセスできればですが」

「えっ?できるの?」

 豊は驚いて沙羅のロージナにリアクションをしてしまう。見ると豊のパソコンのロージナも頷いていた。

「マジかよ。だったら、中原泰裕なかはら やすひろの家の前にいる時に言ってよ」

 豊は自分のパソコンのロージナに文句を言う。

「だって、聞かれなかったし……それに、あの時点では勝手に中原泰裕なかはら やすひろの家に入ったら不法侵入ですよ?」

 確かにあの時点では中原泰裕なかはら やすひろが亡くなっているのは分からなかったが……亡くなった人の家に入っても不法侵入になるんじゃないだろうか?亡くなったら、遺族の所有になると思うが。

 豊は深く考えるのは止めにした。とりあえず、今の内に中原泰裕なかはら やすひろの家に入れるのであれば、簡単にアトカースを止められるんじゃないだろうか。

「じゃあ、今から中原泰裕なかはら やすひろの家に行ってみる?」

「……そうしようか」

 二人は再び中原泰裕なかはら やすひろの家に舞い戻った。

「じゃあ、ロージナお願い」

 沙羅が自分のパソコンのロージナに話しかける。

 豊のロージナはWi−Fiワイファイ環境にないので無理だが、沙羅はポケットWi−Fiワイファイを持ち歩いていた。これで、どこでも本体のロージナにアクセスできる。

 沙羅のロージナはインターネット経由で本体のロージナと同期し、中原泰裕なかはら やすひろの家の鍵を解除した。

「お邪魔しまーす」

 沙羅は玄関のドアを開けて、家の中へ体を滑り込ませる。豊もそれに続く。

 まるで泥棒にでもなった気分だ。見ず知らずの人の家に許可なく——いくらAIエーアイの許可が出たとはいえ——入るなんて。

 一階は主にリビングだった。他には洗面所や風呂、トイレがあるだけだ。

 男の一人暮らしとは思えないぐらい片付いていた。お手伝いさんでも雇っていたのだろうか。

 テレビが無駄にでかい。豊の家のテレビとは比べものにならない大きさだった。ソファーも見た感じ高級そうだ。どうして、こんなに裕福なのに、自分から命を絶ったのだろうか。これほど裕福なら、鬱病うつびょうにならずに楽しく暮らせるだろうに。

 二階は主に仕事部屋と寝室だった。仕事部屋には複数のパソコンが置いてあり、稼働していた。調べてみたが、ロージナ本体が入っているパソコンと、資産管理用のアルヒーミヤが入っているパソコンだけしか見当たらない。

 アルヒーミアは今も資金運用を続けていた。つまり、中原泰裕なかはら やすひろ本人が亡くなっているのに、本人の口座には入金がある状態が続いているということになる。

 あの入金先を豊の口座に変更することができれば、鬱病うつびょうも改善に向かうのに……。正直なところ、鬱病うつびょうが悪化する原因の一つは金銭問題だと思う。鬱病うつびょうで働くことが困難になる。しばらく仕事を休む。鬱病うつびょうが改善する——もしくは改善しつつある状態で金銭的に仕事をせざるを得なくなる——仕事をする。鬱病うつびょうが再発する。の繰り返しだ。

 鬱病うつびょうは回復することはあっても、完治はしない。症状が落ち着いて安定した状態になっても、再発のリスクはゼロではないからだ。

 乱暴な言い方をすれば、宝くじで大金持ちになったら、鬱病うつびょうは完治すると思う。仕事でストレスを受けることがなくなるからだ。それ以外はどんな仕事をしても再発のリスクがあると言っていいだろう。

 豊はここにいるのが嫌になってきた。早く家に、いつもの自分の居場所であるベッドに帰りたい。

 沙羅はそんなことは御構い無しに三階に上がっていく。豊もそれに続く。

 三階は主に荷物部屋だった。図書館のように本だらけの部屋。洋服だらけの衣装部屋。その他開けられていないダンボールの箱が積み重なっている部屋もあった。

 パッと見たところ、アトカースがいるパソコンは見当たらない。

 すると、豊と沙羅のパソコンから同時にロージナが喋り出した。

「この家の前にパトカーが停まりました。警察官がパトカーから降りてきます」

 中原泰裕なかはら やすひろの自殺の原因でも探りに来たのだろうか?とりあえず、僕らがここにいるのはマズいだろう。

 豊はパソコンに向かって叫ぶ。

「ロージナ、玄関の鍵をかけて」

「かけました。しかし、彼らは鍵を持っているようです」

「この家に裏口は?」

「一階にあります」

 僕はそれを聞くなり、沙羅の腕を引っ張って階段を駆け下りた。大急ぎで靴を取ると、風呂場に隠れた。片手に靴、片手にパソコンというなんとも情けない状態ではあるが。

 ガチャリと玄関の鍵が開錠され、人が入ってくる気配がした。

 豊と沙羅はお湯の張っていない湯船の方へと移動した。これで洗面所から覗いても死角になって、人がいるようには見えないだろう。

 しばらく息を殺して待っていると、足音が二階へと上がっていくのが聞こえた。残念ながら、警察官の会話は聞こえない。

 突然、ロージナが声を発した。

「どうやら彼らは中原泰裕なかはら やすひろの……」

「ロージナ!しばらく黙ってて」

 今の会話が警察官に聞こえなかっただろうか。足音は二階をウロウロとしているが、不自然な動きはなさそうだ。

 豊は大きなため息を吐いた。もし、警察官に見つかったら、なんと言い訳すればいいのか。豊や沙羅と中原泰裕なかはら やすひろに接点はないというのに。

 警察官の足音が三階へ向けて登り始めた。

「よし、今のうちに脱出しよう。ロージナ、裏口の鍵を開けて。それに裏口の場所も教えて」

 豊は小声で沙羅のロージナに支持する。豊のパソコンはインターネット環境に接続できないので、この家にいるロージナ本体とは通信できない。沙羅のロージナは頷くと、まず裏口の鍵を解除した。続けて、風呂場から裏口までのルートを教えてくれる。

「よし、行こう」

 豊と沙羅は湯船から出る。豊はゆっくりと音がしないように風呂場の扉を開けて、洗面所に出る。そして、振り返ると、沙羅に手を差し出した。彼女はその手を掴んで洗面所へと出る。

 洗面所のドアもゆっくりと開け、沙羅の方に振り向いて頷いた。

 豊はそのまま沙羅の手を引いて裏口へと向かっていく。

 まだ、警察官は三階にいるらしい。足音がちょっと遠くで聞こえた。

 ロージナに教わった通りのルートを通り、裏口まで来るとゆっくりとドアを開けた。音がしないように靴をゆっくりと地面に置き、履きながら外に出る。沙羅もそれに続く。

 豊は再び大きなため息を吐いた。なんとか中原泰裕なかはら やすひろの家から脱出することができた。

「ロージナ、裏口の鍵を閉めて」

 豊は再び沙羅のロージナにそう支持すると、沙羅の手を引き駅の方へと向かう。パトカーの脇をすり抜けたが、パトカーには幸いなことに誰も乗っていなかった。

 駅の近くまで来ると緊張が溶けたのか、黙っていた沙羅が口を開いた。

「……あぁ、焦ったね。捕まったら面倒なことになるところだよ」

 全くだ。豊も頷く。

「しかし、困ったね。アトカースのインストールされたパソコンを見つけられなかった」

 これが本当にゲームであるなら、アトカース本体を見つけられなかったのだから、豊たちの負けだ。……良くて引き分けと言ったところか。

 話しているうちに駅に着いてしまった。

「また、なんとか対応を考えようよ。とりあえず、今日は帰るね。私に連絡したいときはロージナにメールを送ってもらってね」

 本体のロージナと同期すれば、お互いのメールアドレスも分かるということだろう。

「分かった。じゃあね」

 豊も帰ることにした。今日は疲れた。普段、家でゴロゴロしているだけなのに、人の家に潜入までしたのだから。

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