第202話 遭遇 オーク
「うわーーー オークでゴザルよ!」
則之が巨大な胸を露出しながら右手にくじら君を左手に鎧の上部を持ちながら逃げてきた。
その後に30匹ほどのオークが追いかけてきた。
時間は10分ほど遡る。
北東の施設へ向かう途中・・・・
ロッシさんとジーコさんが酔った。
車酔いで『うッぷ!』寸前になったため、森林の中の開けた地点で小休止したのだった。
小休止した地点は岩場が多く近くに小川が流れていた。
ハルフェルナに来てから則之は剣を振る時間が減ってしまったため、ちょっと時間があると素振りがてらに岩などにくじら君を叩き込み剣の練習をしている。
砕けた大小の岩を俺はせっせとマジックランドセルに収納するのが日課になっていた。
『そんな物、なんに使うんだって?』
それは何かのときのためだよ!何かのときのため!!
「拙者は一汗かいたので水浴びしに行くでゴザル」
「あ~~、俺も石拾いして汗をかいたから則之と一緒に・・・・」
と則之の後を付いて行こうとしたときガシッと!手を引っ張られた。
「アオ君はたいして汗かいていないよね」
一段と背の低くなった将太が俺を見上げながら言った。
「あ、はい」
「じゃ、ノリ君と一緒に水浴びなんかしなくてもいいよね」
「あぁ・・はい」
「いいよね!!」
「はい。水浴びしなくてもいいです!」
将太が怖い。最近、ちょっとしたエロ関係に厳しい。
少年のちょっとしたエロ心に厳しい!
本来、俺の周りは元男とはいえ女体化した連中ばかりなのだがラッキースケベは減った気がする。
なぜだーーーーー!!
そして、今に至る。
「おおおおおおおおお! 揺れてる!!」
俺の脳みそまで揺れそうな衝撃・・・・・
冷たい手が後から俺の両目を塞ぐ。
「あの~ 七海さん、則之のメロンが見えないのですけど・・・・」
「はい! 私が碧くんの目を塞いでいますから」
ササー!
将太が俺の後に隠れたようだ。
将太は以前の一件からオークに対する恐怖感が根強く残っていた。
「将太! 障壁を張ってロッシさんたちと一緒に隠れろ!」
俺は目を塞がれたまま言った。
30匹以上のオークが追ってくる。
おいおい、金髪の女騎士はオークに大人気なんだな~
うん、これは絵になる。
金髪美女・・・・元の則之を知っているといささか萎える気もするが、オークに襲われ上半身を露出した金髪女騎士!
絵になるぜ!!
これで「くっころーーー!」と叫んでくれたら・・・
いかん、いかん、そういう想像は後にしよう。
智弘はすぐさま空中に舞い上がりマジカルなんちゃらを取り出し則之を追ってきた先頭の一匹へ伸ばして突き刺した。
ぐえーーー!
と先頭の一匹が絶命した。
七海は冷たいを指を俺から離しブリッツライトニングを2列目にいたオークに放ち、腰に帯同している紫色の剣を取り出し構えた。
将太はオークに襲われる寸前に障壁を張った。
ガン!
と飛びかかったオークが障壁に当る音が響く。
障壁の中にはジーコさん、ロッシさん、アレックスさんも一緒だ。
その障壁に5匹のオークが飛びかかり殴る蹴る、手に持っている棍棒でガンガン障壁を叩く。
ヨダレを垂らし舌なめずりをしながら醜い顔がいっそう醜くなっている。
が障壁は壊れる様子は見られない。
俺はオークに攻撃を仕掛けない限りスルーされている。
オークと何度か戦って分かったのだが、基本、男より女を優先的に襲うようだ。
やっぱり、あれなんだな~
18禁目的か!
オーク!お前らも中々の腐れ外道だ!
以前は七海もスルーされていたのだが巨大な双丘! おっと、人間化が進んでからは狙われるようになった。
一番人気は金髪の『姫騎士』の則之。
二番人気は緑髪の『聖女』将太。
三番人気は七海だった。
やっぱり貧チチ・幼女の智弘が最下位なのだが・・・・・オークの世界にもマニアックなヤツがいるようで確実に需要はあるようだ。
必ず一定数は智弘に狙いを定めているヤツがいる。
しかもこいつらの執着は少々異常でフルボッコにされ地べたに這いつくばりながらも智弘に縋り付こうとする。
そして絶命するとき「オイータ・マンセーーイ」と叫んで絶命する。
その『オイータ・マンセーーイ」』が『ロリータ・バンザーーイ』に聞こえる。
俺は必ずそう叫ぶオークには後頭部からまぐろ君を突き刺しあの世に送ってやる事にしている。
『ロリコンは病気じゃなく個性です!』
あ~、てめー何言っているんだ! 立派な病気だよ!!
と話はそれたが、スルーされがちな俺は背中のランドセルから両手鍋、鉄板プレート、中華鍋を二つ取り出した。
頭には両手鍋を被り、タナニウムの鉄板プレートを左手に、胸に中華鍋をヒモで固定し、右手に中華君を!
そして背中にランドセルを背負うのだ!
どうだ!!女神様から頂いたオマケ装備
別名 フルアーマー・碧!!
合体完了!
とか用意している間に鎧を装着した則之に片っ端からぶった切られていく。
智弘もファイヤーボールを放ちオークが焼け焦げていく。
七海は左手で雷撃の魔法を放ち、右手で近づいてきたオークを真っ二つにした。
・・・・・エ、エ、エグイです。七海さん。
俺の料理を食べていたせいでリッチなのに力のステータスは並みの戦士くらいはあるようです。
「おら~!豚ども、かかってこいやー!!」
と
構えたとき。
構えたとき。。。
構えたとき・・・・・・
俺の目の前に広がったのは倒れているオークたちだった。
討伐終了~~~~
『フルアーマー・碧』を見るたびにクスッと笑うアレックスさんに勇士を見せたかったのに俺の出る幕は無かった。
そして、ロッシさんの頭の悪い子を見るような哀れみを帯びた視線が突き刺さる。
ジーコさんの見てはいけないものを見てしまった!
と俺に目を合わせないようにしていた。
仕方ないじゃないか!
『まともな武器が装備できないんだよ!!』
俺は心の中で絶叫した!
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