第二部 お兄ちゃん、待っててね!/ラッキースケベは必・・・あぁ! そんなものねぇーよ!!
第86話 お兄ちゃん、待っててね!
「ふふふふ。来た!来た!来たーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
お兄ちゃん、待っててね。今助けに行くから!!」
そう、ついに白田 茜にも異世界召喚が巡ってきた。
放課後、残っていたら教室内に召喚紋が現れ10人ばかりが異世界へ飛ばされた。
茜はこの日のためにオタクの友達を沢山作り、ラノベで知識を得て、異世界を研究していた。
そして、今日がその日だという確信があった。
「絶対、今日だと思っていたのよ!!
朝、タナとロゼが玄関まで来てキチンとお座りしながら見送りしてくれたからね」
何も無い真っ白で無機質な部屋に白い服来た美しい女性が立っていた。
その両脇には透き通った紺色の巨大な剣が岩に突き刺さっていた。
反対側には赤い縁取りがされた真っ白いローブがトルソーに着せられていた。
クラスメイト達がざわついている。
「マジかよ。白田の言うとおり異世界へ召喚されたぞ! ヒャッホーー!」
「お兄さんがいなくなってから、異世界、異世界って言っていたけど本当だったのね」
「まさか俺たちが召喚されるなんて・・・・ラッキー!!」
「よしゃ~ ハーレム作るぞ!」
どうもこのクラスの連中は異世界を舐めている。
茜の兄の碧たち以外にもここ数年で何件も突然、行方不明になる失踪事件が多発している。
クラス単位で行方不明になるのは『異世界転移』だと、実しやかに言われている。
「みなさん、よくいらっしゃいました。ここは女神の間と言われているところです。
これからみなさんに異世界へ行っています。
みなさんには『女神の祝福』を授けます。
目の前にパネルがあるとイメージしてください。
その中から好きな職業を選んでください。
早い者勝ちですからね。
異世界へ行っても言葉は通じないと思うので翻訳パックは標準で装備されていま す か ら・・・・・・ヒグッ!」
茜は女神が話し終えないうちにずかずかと近寄り、
いきなりアイアンクローをブチ噛ますのであった。
「お前か!お前がお兄ちゃんを召喚したクソビッチだな!! お兄ちゃんのところへ転移させろ!!」
といきなり言い出した。
「痛い、痛い、頭がーーーーー」
そして、女神に尋ねる・・・・・いや、脅すような言い方で
「どの職業が良いんだ?」
「一番良いのは勇者が一番だと。上級職で魔王を封印できるのは勇者だけですから」
「分かった、じゃ、勇者を」
「じゃ、僕が勇者をポチッと」
「誰だーー勇者を獲ったヤツは!! 次はどの職業が良いの?」
「次は賢者が様々な魔法を使えるので万能かと」
「ふむ、それなら、私がポチっと」
茜は横取りされ焦るのであった。
「コラーー獲るな!! 次はどれよ!どれがいいの!!」
「つ、つ、次はですね。魔法剣士が良いかと・・・・・痛いので、そろそろ離してください」
「魔法剣士、いただきーー!!」
「こらーーーーお前ら、次、獲ったヤツ殺す!! 次はどれよ、どれ!!」
焦りはどんどん増し嫌な汗が流れ出す。
「痛い、痛い、次は剣聖なんかが良いかと」
「じゃ、俺が戴きまーーす。ポチっと」
「お、お、お、お、お前ら、全員殺す!!
お前ら!危機感を持てよ!!」
と最終的にはクラスメイトに死の宣告をするのであった。
「痛い、痛い、痛いのでそろそろ離してください」
女神の頭にガッチリくい込むアイアンクロー。
「あぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーメンドーーー
クソビッチ!あんたの力で全部のスキルや魔法を寄こしなさい!!ステータスを全部カンストさせなさいよ!!」
「えっ?えっ? いくらなんでもそれは無理です」
「無理じゃない! あぁ! 私からお兄ちゃんを奪っておいて、何言っているの?神が許しても私が許さない」
一段と茜の指に力が入り女神様のコメカミに指が食い込んでいく。
態度と言い口のきき方といい、女子高生と言うより反社会的組織の人の方が近いのではないか。
「わ、わ、私が神なんですけど」
「うるさい!!」
茜の指に一段と力が加わると。
「あああああ。痛い、痛い、わ、わ、わ、分かりました。ステータスをフルにします」
「面倒だからスキルや魔法、全部よこせ!!」
「そんなことは出来ません」
アイアンクローが・・・・・・・
「いいから、よこせ!!
私からお兄ちゃんを奪った罪は万死に値する!!
今ここで脳みそをぶちまけるかスキルを全部渡すか、お前が選べ!!」
指先にはさっきより一段と力が。
「痛い、痛い」
「早く選べ!!」
「茜ちゃん、ダメよ。女神様が苦しんでいるわ」
「茜!もう止めろ、女神様が痛がってるだろ」
茜と仲の良い早川詩織と雨宮加奈が女神から引き離そうと茜の腕を引っ張った。
「引っ張られて首が折れちゃいます。死んじゃいます。死んじゃいます。
アイアインクロー、痛いです。頭蓋骨割れちゃいます。脳みそブチまけちゃいます。
わ、わ、わかりました。魔法もスキルも沢山与えますから」
「もっと早く言いなさいよ!!早くお兄ちゃんのところ行きたいんだから」
こうして白田 茜は魔王さえもを遥かに超える究極の力を脅迫という交渉の末、手に入れた。
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