第29話
「やーい! やーい! 弱虫犬! 」
「くやしかったらおかしもらってみろよ!
」
「泣いてばっかだと『泣き虫』って言うぞ?
」
おばけたちが、小さなゾンビハウンドをからかいます。
「『泣き虫』? ……そうダ! あんたたちがいぢめるからパンプキンはいなくなったんダ! 」
なみだを振りまきながら叫びます。
「おい、はんろんしてきたぞ」
「これめんどくさいやつだ」
「どうするよ? 」
ヒソヒソ、ヒソヒソ話し出します。
「い、言い返されないとでも思ったカ! 」
プルプルとふるえながら。
「さらに突っかかってきたぞ」
「なぁ、どうする? 」
「……しかたない」
ガタガタと震えている小さなゾンビハウンド。
何をされるんだとこわくてしかたありません。
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