第28話

「私、知っていたのよ。だって……だったの」

「「え? 」」


無口なお父さんがチラリとこちらに目をやり、新聞ですぐに顔を隠してしまいました。


「お父さん、大きいでしょ? だったの」


嬉しそうに、更にニコニコしています。


「お父さん、クールでね。静かに『トリックオアトリート』って言ってたの。みんな怖がっちゃって。ってお菓子をいっぱいお母さんのお母さん、あなたのおばあちゃんにお願いしたの」


私とおなじでした。


「放って置けなくて……気がついたら好きになっていたの。両想いだったのね。きっと同じことが起きたって思ったのよ」

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