第25話
「最初は怒られたよ。当たり前だよね。みち子ちゃんは人間で、ぼくはおばけだから」
心臓がうるさく鳴っています。
「でもね、誰よりもいっぱいお菓子をくれたでしょ。普通なら1個や2個なのに、みち子ちゃんは溢れるくらいいっぱいくれたよね」
辛うじてうなづきます。
「数十年先の分までもらえたご褒美だって言われたんだ。願いはなんだ? って」
空洞なのにすごく笑顔を感じます。
「だからぼく、人間になりたいですって言ったんだよ。おばけとしての長い一生じゃなくていい、短くなってもみち子ちゃんといたいって」
また一筋涙が流れました。
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