第18話
空洞の双眸、ギザギザの口。
表情なんて分からないはずなのに、何故か私には悲しそうに見えました。
私に出来ることならなんでもしたい、友だちになりたいって思ったんです。
おどろかせられないほど臆病で優しい彼。
不謹慎なことに、私には嬉しく思いました。
だってそれは、彼の初めての相手になれるから。
ほんのちょっと背中を押してあげただけです。
だから、その分いっぱい、いっぱいお菓子を用意しようって思いました。
彼だけのために。
他の子からももらうかもしれません。
その分、誰よりもいっぱい、他の子からもらったものが持てないくらいあげようって。
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