後編

第16話

この村は、母の思い出の場所。

五歳から十四歳の子どもと、その親のみ住むことをゆるされた村。

私にとっても五歳から十四歳まで過ごした大切な思い出の村。


この村は通称ハロウィン村と呼ばれています。

子どもがお菓子をねだりにくるおばけと友だちになり、十年間の10回、ハロウィンの日にお菓子をプレゼントし、遊ぶ。

子どもにだけゆるされた神聖な楽しい儀式。

五歳で出会い、十四歳でお別れをする。


そう、十五歳になるときには、大人の準備を始めなければならないから。

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