第35話 ステータス

 イリスを従者部屋に下がらせ、やっと一人でくつろげる時間がとれた。

 夕飯の準備をする時間になるまで2時間ほど余裕がある。この辺で一度ゆっくりステータスの確認をしておきたい。


 【ステータスプレート】を呼び出し、ステータスを細部までじっくり眺める。


《ルーク・A・ヴォルグ》

 HP:1174

 MP:758

 レベル:20

 種族:人族

 性別:男

 年齢:15

 職業:1st―竜騎士


 攻撃力:212

 防御力:280

 敏捷力:115

  知力:442

 精神力:698

   運:512


   AP:615


《スキル》

  中級魔法

   火属性:【ファイラボール】【ファイラウォール】

       【ファイラスピア】【ファイラストーム】

   水属性:【アクアラボール】【アクアラウォール】

       【アクアラスピア】【アクアラレイン】

       【アクアラカッター】

       【アクアラヒール】【アクアラキュアー】

       【アクアラシールド】

   雷属性:【サンダラボール】【サンダラスピア】

       【サンダラレイン】【サンダラスタン】

   風属性:【ウィンダラボール】【ウィンダラウォール】

       【ウィンダラスピア】【ウィンダラカッター】

       【ウィンダラシールド】

   地属性:【ストーンラボール】【ストーンラウォール】

       【ストーンラスピア】【ストーンラレイン】

       【ストーンラバレット】

   聖属性:【治療回復】【毒解除】

       【精神回復】【範囲治癒】

       【ホーリーレイン】【ホーリーシールド】

   闇属性:【グラビラボール】【ヘイスラ】


  初級魔法

   火属性:【ファイアボール】【ファイアウォール】

       【ファイアスピア】【ファイアストーム】

   水属性:【アクアボール】【アクアウォール】

       【アクアカッター】【アクアスピア】

       【アクアレイン】  

       【アクアヒール】【アクラキュアー】

       【アクアシールド】

   雷属性:【サンダーボール】【サンダースピア】

       【サンダーレイン】【サンダースタン】

   風属性:【ウィンドボール】【ウィンドウォール】

       【ウィンドスピア】【ウィンドカッター】

       【ウィンドシールド】

   地属性:【ストーンボール】【ストーンウォール】

       【ストーンスピア】【ストーンレイン】

       【ストーンバレット】

   聖属性:【治癒回復】【毒中和】

       【精神安定】【ホーリーボール】

   闇属性:【グラビトンボール】【ヘイスト】


  生活魔法:【ファイア】【アクア】【サンダー】

       【ウィンド】【ストーン】【ヒート】

       【クール】【ライト】

       【クリーン】【フロート】

  

  特殊支援系

   【カスタマイズ】【インベントリ】

   【詳細鑑定】レベル3

   【周辺探索】レベル1

   【無詠唱】


  総合支援系

   【身体強化】レベル2

   【隠密】レベル5

   【忍足】レベル4

   【腕力強化】レベル1

   【脚力強化】レベル2

   【魔力察知】レベル3

   【魔力探知】レベル3

   【気配察知】レベル4

   【魔力操作】レベル6


  戦闘支援系

   【剣士】レベル8

   【槍士】レベル3

   【拳士】レベル5

   【弓王】レベル6


  生産支援系

   【錬金術師】レベル8

   【錬成術師】レベル7

   【調合師】レベル8

 

 う~~~ん、これはやっぱ見られたらまずいな。

 元々ルーク君は、聖>闇>水・風>雷の5属性持ちで、かなり優秀だったのだが、回復魔法以外の熟練度は低く、攻撃魔法は初級魔法しか扱えていなかった。


 どうやら神の祝福や恩恵をやたら得ているようで、今は全属性の魔法が使えるようになっている。


『♪ ルーク君の体ではありますが、魂的なものはマスターのものですからね。この世界より上位世界の人間なので、全属性使えて当然です』


『でも俺の居た世界に魔法なんかなかったぞ?』

『♪ マスターの世界に魔法がなかったのではなく、マスターのいたエリアが……あ、その辺は詳しくお伝え出来ない事案に該当しますので……お察しください』


 よく分からないが、使えるものは使わなきゃね。

 それにしても総合支援系の得ているスキルがなんか変だ。これじゃ暗殺者みたいだな。


『♪ 毎日のように覗きをやっていた際に会得したもののようです』

『アホだな! 【隠密】レベル5、【忍足】レベル4、【気配察知】レベル4って中級レンジャー並みじゃないか!』


 つまりルーク君は人に見つからないように相手の気配を探りながら、自分は気配を消して忍び足でお風呂場に向かい覗きに勤しんでいたわけだ。呆れたが、今後は俺が有意義に使ってやることにした。


 レベルアップで得たAP(アビリティーポイント)が結構ある。

 【詳細鑑定】に2レベル分使っただけなので、今は余裕がある。


『【カスタマイズ】で弄ってAPポイントを使うならどれが良い?』

『♪ 【身体強化】は絶対ですね。五感も含めた体に関する全ての強化ができるので、レベル10にしただけで人間辞められます』


『それ、俺が急に強くなったらまずくない?』

『♪ マスターにこの世界の命運がかかっているのです。世間体を気にして邪神と対峙する前にゴブリンで死亡とか笑えませんよ?』


『そりゃそうだ……』

『♪ そもそもマスターのことを詳細に知っている人物がこの国にはいないのです。噂と違って凄いと思うだけではないでしょうか?』


 妖精さんと相談の結果、レベル上げの狩りに行くときに一気にあげようということになった。とりあえず【身体強化】をレベル5に、【剣士】レベル8を【剣王】レベル10にしておく。


 これだけでもかなり体が軽く感じたほどだ。筋力が増えたら基礎代謝が上がって痩せやすくなるしね。


 剣術熟練度を【剣王】にしたのは、何かあった時に自分で身を守れるようにしたのだ。


 あはは、ポイント振るだけで兄様より強くなっちゃった。一生懸命努力していた兄様になんか申し訳ない。



 *    *    *




 ステータスを眺めて色々思案していたら、あっという間に夕飯の時間になった。


「ルーク様、お食事の準備ができました。奥様に凄い料理を披露したと伺っているので、私の料理がお口に合うか心配ですが、お召し上がりくださいませ」


 寝室から出てリビングに入ったのだが、今日買った食卓テーブルには俺1人分が用意されていた。


「イリス……君の分は?」

「従者は主人が食べた後で食べるものですよ?」


「お昼も? 休憩時間がそれではとれないだろ?」

「学園ではちゃんと考慮されていて、お昼休憩は90分も時間があります。問題ないです」


「無駄な時間だ。交互に俺と君が食べる時間もそうだが、後片付けもその分遅くなる。何より折角作ったものが冷めてしまうだろ。イリスの分も持ってきて一緒に食べるんだ」


「ですが―――」

「俺は効率の悪いことは嫌いだ。一緒に食べて一緒に食後のお茶を飲めば、後片付けも一度で済む。イリスの勉強時間を圧迫することもなくなるだろ? 反論するなら、これは命令とする。食事は一緒に摂るように!」


「ご配慮ありがとうございます。正直に申しますと凄く有り難いです♪ 実はそういう主従の方も沢山います。前回私の主人だった侯爵令嬢もお優しいお方だったので、3年間一緒にお食事させて頂きました」


 自分の部屋に持っていっていた料理を俺の向かいに並べ、俺と一緒に食事を行う。

 イリスの分は俺と比べたらちょっとだけだった……少食だね。


「凄いな! どれも美味しそうだ」

「今日は私が作る初めての食事なので頑張りました。でも明日からはこんなに沢山は作りませんからね」


 食卓には豪華な食事が並んでいた。


・オークのステーキ

・野菜炒め

・ホーンラビットの煮込みシチュー

・ほうれん草とベーコンのバター炒め

・何かのソーセージ

・生野菜のレモンドレッシング掛け

・鶏と野菜の塩スープ

・パン


「毎日こんなに食べていたら、もっと太っちゃうな」

「そのことですが、ルーク様には痩せていただきます。なので明日から少し食事制限をいたしますね」


「分かった。俺もそのつもりだったので、そうしてくれると有り難い。肉と野菜メインの食事が良いな」


「お肉食べたらダメですよ! 肉好きとお聞きしましたので、今日は肉メインに沢山お出ししましたが、以降は控えるつもりです」


 ん? 30年前の栄養士のようなことを言っているぞ……。


「イリス、それは間違っているよ。タンパク質を沢山とって糖質や炭水化物を減らすのが効率が良いんだよ」


「たんぱくしつ? たんすいかぶつ? それはどういった食材なのでしょうか?」


 そうきたか!


『♪ ウイルスですら理解できていない世界で、そんな成分的なことを言ってもダメですよ。そういう言葉自体がないです』


「お肉を食べて体を鍛えれば筋肉が付きやすいんだ。運動すれば筋肉が脂肪を燃焼してくれるので、筋肉量はバランスよく鍛えて沢山ある方が良い。お肉を減らして体を鍛えても筋肉が付きにくいので、結局は効率が悪くなる」


「知りませんでした。そういう知識も是非教えてくださいませ!」

「うん。勿論いいよ」


 お肉の種類や部位によっても含まれる栄養が違うことを教えてあげたら、凄く喜んでいた。



「それにしても、イリスの手料理美味しいね」

「本当ですか⁉ 頑張って作った甲斐がありました。でも、明日からは一汁三菜はお出ししますが、痩せる為に一品ずつバランスよく全体の量を減らしますね?」


「うん……分かった」



 イリス・D・ミハエル(18歳)。

 ミハエル伯爵家の長女で、この国の教皇様より凄い俺の回復の施術法が知りたくて弟子になりたいと自ら侍女に志願してきた。


 身長156cm、体重46kg……かなり細身の可愛い感じの色白の女の子だ。

 聖>水>風の3属性が得意のようだ。俺と似たシルバーブルーの髪色をしていて、後ろで1つにまとめ、肩甲骨辺りまで伸ばしている。


 そして姫同様結構な胸をお持ちだ。聖属性や水属性が主属性な女性は、なぜか皆大きく育つようだ。

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