第34話【あちらこちらで交錯して交錯して交錯する】
俺がどうするか悩んでいるさなか、人間関係の化学反応が始まっていた。
「王子様はわたしを許せないみたいね」ナキさんが挑発するようなことを言った。王子の『ウチの国の刑務所で引き取る』発言で覚悟を決めたのかもしれない。あの硬直ぶりが嘘のような物言いだった。
「当然だ。人の結婚を邪魔しようとする人間に寛容になれるか? 勘違いの無いように言っておくがこれは我が国の外交政策を邪魔されたから怒ってるんじゃない。私憤だ」この王子のここまでマジに怒る様子を見るのも初めてのような気がする。
「ちょっと待って下さい! そんなに争わないで下さい!」桃山さんが割って入る。「——亡命がどうとかはホントじゃないのは分かっているけど、ホントにナキちゃんを逮捕しちゃうんですか?」そう桃山さんは訊いた。
王子は〝ふうっ〟っと息を吐いた。
「あなたには被害者だという自覚も無さそうだ。被害届も出されそうにない。これでどうして外国人である我々がのこのこ出てきて逮捕できるんでしょうか?」王子が答えた。
それでいいのか?
「——ただ、人間ひとり匿い続けるのは『手に負えない』となるしかない。いったい彼女を日本のどこへ住ませるつもりですか?」王子が桃山さんに訊いている。
そのことばが俺の方にぐさり。だが「わたしの家っ」っと、ほとんど即答で桃山さんが答えていた。
なぜか王子がわざわざ俺の方に目線を寄こして、その後口を開く。
「とーこさんの家ですか?」
「そうですけど」
「お詫びしなければならないことがあります」
「えーと、お詫びならさっきしてもらったような気がしますけど」
「それとは別件です。ウチの国の者があなたの誘拐事件に絡んであなたの家の屋根に大穴を開けてしまいまして、あなたが向こうへ帰るのと同時にウチの国の者を修理にやらせます。もちろん無償で修理しますのでご安心を——」
「や、屋根?」
「まずは筋を通してから、言いたいことを言いたい、ということです」
「言いたいこと?」
「正直腹立たしいんです。あなたは私の結婚を邪魔するような者に協力しているかのように見える。この犯人の奈辺に共感できたのか? ぜひとも語って頂きたい」
「ちょっと待ってくれ! 桃山さんは誰とでも口をきくし困っている人を放っておけない性格で……」俺は慌てて口を挟む。
「そんなのわたしの思想に共鳴したからに決まってるじゃない」ナキさんが言い切った。
「それは……ちょっと違うのかもしれない」と桃山さん。
「違うのっ⁉ とーこっ」
「うん……」
「どう違うんでしょう?」と王子。
「一番最初に思ったのは、結婚したくない人とむりやり結婚させられる女の子がいることがおかしい、って思ったからで」桃山さんは言った。
「しかしその〝結婚させられる人〟はこのナキさんとやらじゃないでしょう」王子が切り返す。
「そうなんだけど、事情を聞いているうちに、なんとなく、なんとなくだけど放っておけないような気がしてしまって。それでその人が一番困ってる時にその人を見捨てるなんて……」
「なぜ困っているかと言えば自業自得です。どうしてあなたがつき合うんです?」、王子と桃山さんの奇妙なやりとりが続いている。
「わたしは加茂くんが言ったとおり『困ってる人を見捨てない人』なんて思われていて、だから一番困ってる時にサヨナラできないかなって」
「見捨てるもなにも、あなたは犯人に拘束されていたんでしょう?」王子が訊いた。
「こっちの世界にまで着いて来ちゃったのは結局わたしだし」桃山さんが言う。
「ばかな!」と声が思わず出てしまったのは俺。
「話しを曲げるな、とーこ」そう声が出たのはナキさん。
「どういうこと?」俺が尋ねる。
「わたしは『強制をするつもりは無いけど来てくれたら嬉しい』って言ったじゃんか!」ナキさんは言った。
「自覚があるとは殊勝だな」王子は言い、続けざま「頼まれて断れない人にとってはそれこそが強制になる」と言い切った。
桃山さんは黙ったまま。
「こちらの世界にまでとーこさんを連れ込んで、いったいなにを企んでいた?」と王子。
今度はナキさんも黙ったまま。俺と話すときのおちゃらけた雰囲気がまるで無い。
「私はこの事件は実に奇妙な事件だと考えていてね。どこが奇妙かと言えばだ、わたしと王女が日本という異世界の国に婚前旅行に行くことはごく限られた人間しか知らなかったのだ。つまり内通者がいる。お前はどこからこの情報を得た?」
なおもナキさんは黙ったまま。
「しょせんお前の立場は、とーこさんを『解放する』という決断が下せない立場なんだろう?」と王子は畳み掛けて言う。
「もう止めてあげて!」桃山さんが声を上げる。
「とーこさん、なぜこの女に同情するんです? いったいあなたという人間はどういうキャラクターなんです?」
それ直接本人に訊くか⁉ 桃山さんは少しだけうつむき口を開く。
「敵を平気で造れる人ってのが……こんなこと言ったら変だけどステキだったっていうか」
「人間、敵なんて造りたくなくてもできてしまうもんでしょう?」
言い切りやがった。さすが王子! と言って良いのか?
「でもわたしは『誰とでも分け隔てなく』って思ってきてできるだけそうしてきて、けど気づいてみたら特別に親しい人もいなくて、そんなわたしと真っ反対なのがナキちゃんで」
「どうして⁉」俺は思わず声を出していた。
「加茂くん……」と桃山さん。
「桃山さんが誰とでも分け隔てなくってのはそんなにダメなの⁉ マイナスなの⁉ ……そのおかげで小学校時代の思い出になってる人もいるのに」
「それって加茂くんのこと?」とあまりにストレートに桃山さんに訊かれた。
「そっ、そうだよ」と言うしかない。
「そうかぁ、そういうこともあるんだね。それは嬉しいかな——」桃山さんは少しはにかむように言った。
「だけどね、みらのちゃんにいろいろ相談されてもわたしにできることってただ話しを聞いているだけなんだよね。良いコって限界があるというかなにもできないというか——」
荒んでる? 見かけによらず。
「——だから本気で問題を解決するためには敵を造ることを厭わないで行動できる人じゃないとだめなのかなって」とも言った。
「しかしあなたを誘拐しても問題など解決しなかったじゃないですか」王子が言った。
「まぁそれはそうですけど……でも楽しかったっていうか」
「楽しい?」
「そうなんですよ。ふたりで歩道橋から飛び降りたり、人混みの細い路地を駆け抜けたり建物の壁をよじ登ったり。『異国の街角で』っていう感じでちょっとした冒険活劇で追跡者を撒いたりしたんですよ」
俺の知らないトコでそんなことしてたの?
「……それは……結果論でしょう?」王子が訊いた。
「そうですね『今だからこんなこと言える』ってやつですよね」
さすがの王子も呆れたような顔をしていたがすぐに真顔になった。
「時に、あなたが感じている『問題』とは、王女が結婚に非常に乗り気でないという問題だと思うのですが今でも問題だと思いますか?」
大まじめにそういうこと訊くのかよっ!
「ずいぶんとイケメンですよね?」桃山さんが言った。
「はィ?」
「なんか王道なんですよね」
「王道?」王子がおうむ返しに言う。
「ヒロインは最初特定男子に反発ばかりするんだけど、だんだんと距離が縮まって仲良くなっていくっていう」
「えーっ⁉」と声がひっくり返る井伏さん。
「『ただしイケメンに限る』なんですよね、物語ですから」桃山さんは言った。
「なるほど、素晴らしい! これで協力できる」と王子。
「協力って?」
「実は私はカモさんのところで夕食のお相伴にあずかっていてね、私達は普通に食べられた。だからその逆も可能だろうと」
「えーとそれは?」
「あなたはそこの『ナキさん』とやらを引き取るつもりらしいが提供できるのは衣食住のうちの『住』だけでしょう? だが『衣と食』は継続的にカネがかかる。どうミーティー?」
「え?」
「王国からの施しだけじゃ屈辱だろうからな」
井伏さんはそのことばの意味に気づいたのか「うん」とうなづき、
「わたし達の国のお金など異世界の別の国では使えませんけど、物という形では協力できると思うんです」と言った。
「基本的に高い物じゃないから王室予算の中でどうにかなりそうだし」王子も言った。
さっすが金持ちだな。実際生活するに当たり食料費や衣料費はけっこうな割合を占める。消費税増税から除外しろという声だってある程ばかにならないのだが。
「ただ、本人の気が変わらなければ、だが」と王子は桃山さんを見て言った。
「どうナキちゃん? どこへ行く?」桃山さんは言った。
「ほんとうに行けるんだったら……わたし、日本へ行きたい!」
「カモさん、日本への亡命の件、空手形じゃなくなったようだぜ」王子が言った。
マジかよ!
「じゃ、そろそろ降りようか」王子が言った。するべき話しも全部済んだということらしい。
「玄関先までつけます」と公国の侍従が言ったが、王子が「降りて歩く」と言い、井伏さんも反対しなかったため大公大邸の玄関まで少し歩くことになる。リムジンとはいえ後部座席に五人は少し窮屈だった。
ようやくそこから解放され俺は大きく伸びをする。地面は一面緑の芝生。空が高いなぁ。いつもの山脈も高いなぁ。俺たち奇妙な取り合わせの五人はリムジンから降りた。遠巻きに警官隊。未だ警戒態勢を解く気配は無い。
これで大団円? しかしなにかが違うような気が……
そんなことを思ってる間にナキさんが井伏さんの前に跪いていた。そこまでする? そういえばナキさんと井伏さんって直接会話していたっけか? してなかったような……
「申しわけありません。そしてありがとうございました」そう言っていた。井伏さんの顔は——そりゃあ微妙な顔をしていた。
「立ってください」井伏さんはそう言うのが精一杯の様子だった。
続いてナキさんは王子の前に進み出た。そして同様のことばを王子にも捧げる。ただし跪かなかった。王子はひと言、言った。
「今でも婚約を解消させたいか?」と。
ナキさんはなにも言えずにいた。
「あの手錠はなんとかならないのか?」思わず俺が言っていた。
「とーこだけ外してください」ナキさんが言った。
「ナキちゃんっ」と桃山さん。「いいから!」とナキさん。それを受け井伏さんの指示により周囲の警官のひとりによって桃山さんの手錠だけが外された。
「まあいいだろう」王子は言った。
この後ナキさんが俺の前に立つ。さすがに跪くなどということはない。当たり前だけど。
「ぷろんとさん。ありがとうございます。助けてくれて。本当に配慮してくれたんだね」
俺、俺か? 桃山さんじゃなくて。桃山さんを助けたら必然的にこうなっただけで……
「助かったってことはやっぱり元々のお仲間が敵になってしまったということなのか?」
ナキさんは無言のまま沈鬱の表情でうつむいた。
「あいつらは……なにも分かってなかった……」
「なぁ、結局この事件、なんの意味も無かったじゃないか。これになんの意味があったんだ?」
「あのふたりの方がすぐ近くにいるのに話せって言うの?」王子と井伏さんのことだろう。
「聞かれたくない話しだったら少し離れるけど」
ナキさんはほんの少し笑みを浮かべ「ここでいいよ」と言い俺は「うん」とうなづく。チラと横目で王子と井伏さんを見れば、こちらを注視し聞き耳を立てているのが分かる。
「『こころを攻める』、それを狙ったんだ」ナキさんは言った。
「心というのは王子か王女さまの心か?」俺が問い返す。「なんか具体的じゃなくて意味が分からない」さらにそう付け加えた。
ナキさんは少し考える風。
「じゃあ、具体的に教えてあげようか? わたしもこれでも女の子だからね。ここに仲の微妙な男女がいっしょに歩いている。一度あいそを尽かした男にまた惚れることなんて絶対に起こらないんだよ。たったひと言の暴言が全てを壊すんだよ」
「それが『こころを攻める』……」
女の子、怖いな……
「でも婚約にダメージを与えたようには見えないけどな」
「ダメージを与えたか与えないかは分からない。見えないし。『こころ』だからね」
「……」
「だけどわたしには確信があった。あの王子なら王女さまの友だちなんてどうでも良いって言い放つって決まってるって」
「吐いたかどうかは確認できないだろ?」
「確認はできなくても必ずそれをしてしまうって確信してたから。だからある程度のところまでで誘拐事件は中止するって考えていたんだ。ぷろんとさんがとーこの部屋に乗り込んで来てわたし達に通信機を投げたところで『頃合い』って思ったんだけどね。今さら信じてもらえないだろうけど、ことばとは反対にあの時にはとーこを解放しようと思ってたんだ。ただあの時点で『解放する』とは言えなかった。人質を解放した途端にやられるのも嫌だったし。しばらく人質をとっているフリをするのが妥当だと思った。ぷろんとさんが部屋から叩き出された後、わたしは『解放しよう』とあの仲間に提案したんだ。だけどは聞く耳を持たれなかった。全くね。とーこを使ってまだ王子と王女さまを揺さぶれるって考えている奴らばかりでさ。目に見える戦果ばかりを欲しがって」
「それで袂を分かった?」
「簡単じゃなかったけどね。おまけに本国に戻ったらそこでも裏切り者扱いされるしね。そんな奴らばっか。だいたいおかしいだろ? とーこを人質にとり続けていても苦しむのは王女さまで王子が苦しむわけがないんだから」
「不幸中の幸いだったよ」
「なにが?」
「交渉できる相手で良かったってこと。世の中には交渉が成り立たない連中がいるから」
例えば『イスラ○国』とか、な。
「もの凄い皮肉。わたしは自分の仲間とも交渉もできなかったから……」
「計画が複雑すぎた」俺がそう言うとナキさんは自虐的に笑った。
「だからわたしの立てた計画はダメなんだな」
「は?」
「その『とーこさん誘拐』、けっこう場当たり的だろ? 最初から立てた計画じゃない。王女さまが『日本という異世界』で親しい人間を造らない可能性だってあったのに」
「じゃあ……」
「そう、なにかをやろうとはしていた。事件を。でもなにをやるのかは決めてなかった。わたしが思いついたんだ。外から婚約を解消させるんじゃなく当事者が自発的に婚約を解消してしまう方法を」
物を壊す、人を殺すんじゃなく、人間関係の破壊を目論む一見なにも破壊したように見えない新手のテロ……。もう止めよう。この話しは。
俺は最後に、気になり続けていることを訊くことにした。
「西市街ってとこに警官隊を突入させると、どう都合が良くなるんだ?」
ある意味俺は話しを逸らした。ナキさんは一瞬きょとんとした顔を見せたが反応してくれた。
「異世界へのトンネルの出口が西市街にあるってこと。警察が大捜索をすれば仲間、いや元仲間も一時的にせよその場から立ち去るしかない。場所ならとーこも知ってる」
「どういうトコにあるんだよ?」
「とーこに訊けば?」
「それって誰の家でもない場所ってことか? 〝その辺にある〟ってことなのか?」
「まあね」
「なんでわざわざそんなところに造ったんだ?」
「わたし達一般人にこんなトンネルは造れない。造るための道具が手に入らないから」
「その道具さえあればできるのか?」
「道具さえあればね」
「どこにあるんだよ?」
「大学……物理学部の格納棟の奥で厳重な管理下にある」
王子のヤツ『簡単にできる』なんて言っていたのに。主語を省略してたな。『道具があれば——簡単にできる』か。
「じゃあそのトンネル誰が造ったんだよ?」
「昔の冒険家、異世界へのガイドを書いた人物。かつて彼の家があったのが西市街」
王子が言っていた人物がそれ……だったのか。
「なんでそんな訳の分からないところに出入り口があるんだろう?」
「元々普通に家の中にあったんだろうけど区画整理されちゃってるし——、いいかな? 話し元に戻して」
それを言われてどぎりとする。
「なんの話しだっけ?」
「誘拐事件がどうやら目的を達しなかったらしいって話し」
「……」
「負け惜しみに聞こえるでしょうけど、わたしの立てた計画は九分九厘成功するはずだった。婚約なんて外部から破壊しなくても内側から崩せるのは確実だった。だけどそうはならなかったみたい。これは誰のせい?」
「さぁ?」
「ぷろんとさん、あなたのせい!」
「ええっ⁉」
「王子が自分の婚約の維持だけに固執し『どうでもいいだろ!』っていう暴言を吐かなかったのはあなたがいたから。ぷろんとさんのところに脅迫電話を掛けたのはあなたが恋人を人質にとられたことで取り乱しふたりを責め立てることを期待したから。人は怒れば簡単に暴言を吐くから——ふたりの仲が本格的にまずくなれば後は週刊誌あたりがおもしろおかしくその後の経過を伝えるだろうって踏んでいた」
ナキさんは少しだけ間をとった。
「だけど想定外だった。ぷろんとさんはわたしが想定したみたいな人じゃなかった。それどころか事件解決の方に一枚噛んでくるなんてね」
「まさか、恨んでる?」
「助けてくれた人を恨まないよ。ただそのせいで『心を攻める』なんてやり方より目に見える戦果を求める連中の方が正しく物事を見通していたことになってしまったのが残念だ」
実に不本意だ。
「——ひとつだけ言い訳させてもらっていい?」ナキさんは言った。
「言い訳?」
「ぷろんとさんが普段使ってる端末機に手紙送っただろ? メール、とかいうやつ」
「ああ」
「あの時日本の方に戻った。とーこにはそこで『サヨナラ』を言ったんだ。だけどまた着いて来ちゃ——いや着いてきてくれたんだ。それどころか再びメールを受信するため日本へ行ってそしてわたしのところに戻ってきてくれたんだ。どう? この言い訳信じる?」
そんな感じはする。
「信じるよ」
「ありがとう。本当にいいコだよ、とーこは」ナキさんは少しだけ微笑みながら言った。
「当たり前でしょ」俺は言った。
「でもね——」
「え?」
「結局政治の話しができるのはぷろんとさんだけだったんだな……」
なんと言ったらいいのか……、王子や井伏さんに聞こえるように話すなよ。
「だから一つだけわたし達の正義を聞いて欲しい」ナキさんは不思議なことを口にした。俺はただ黙っている。
「あの運河はわたし達のおじいさんや、ひいおじいさんが造ったんだ。外国人の物じゃない!」
話しは途切れた。
「はあ、すっとした」ナキさんは微笑んでいた。
「お話しが済みましたら警察の方が事情を訊きたいとのことですので」ここで侍従が言った。侍従の後ろに公国の制服を着た警察官がふたり立っていた。
「逮捕なんですか?」思わず俺の声が出た。公国の警察官が前に出てくる。
「今現在逮捕状は出ていません」一方が答えた。事実だけを口にしたようだった。そしてナキさんに歩くよう促す。
「近いうち話したいな、また今度いつか」ナキさんはそう言い残し公国の警察官の後を歩いて行く。ちらと王子を見れば無言無表情のまま。だけど視線だけは鋭い。
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