優しい朝の絶望
みちる
優しい朝の絶望(読み切り)
それは優しい朝だった。
起き上がる。いつもなら重い腰が、軽い。
床に足をつく。いつもなら冷たい床が、温かい。
どうしてしまったのだろう。生ける屍だった私が、今日は何故こんなに生きていると感じられるのだろう。
洗面台の鏡を見る。そこには、何も映ってはいなかった。
優しい朝の絶望 みちる @mitiru_tear
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