第48話 俺は……
「いや冗談じゃないよ!何勝手に自殺して終わった気になってんだよ!」
「え?誰!?」
気が付くと、俺は天国(っぽい感じの所)にいた。目の前には一人のツインテールでミニスカートの少女(胸は小さい)。
「あれ?えっと、あなたは誰ですか?」
「黄泉の女神イザナミちゃんって言えば分かる?」
「え?本人?」
「本神ね。信じるか信じないかはあなた次第です!」
おいマジか……。いや信じないけどね!
「えっと……あれ?俺どうなって……」
「あなたは確かに1度死にました。全くもう、もっと命を大事にしなさいよね…」
「すみません……」
目の前の少女(自称女神)が本気で怒ってるので申し訳なくなった。
「で、本来ならあなたはこのまま黄泉の国に行く事になるんだけど、特別にそれはナァシッ!にするわ」
「ふぁっ!?何で?」
「理由は2つあるわ。1つは、あなたが死んだのがあなたが産まれた世界では無かったから」
「はあ……まあ、確かに……」
「2つめの理由は、あなたが普通の人間じゃないから」
「……え?」
「あなたの正体は、3兄弟神の1神。わたしの元ダーリンイザナギの右目から産まれたツクヨミ。その可能性の1つよ」
「……………………え?」
「だーかーらー!あなたは私から逃げたあの男が1人で産んだけどその後ほとんど出番が無かった神話屈指の空気キャラツクヨミの可能性の1つだって言ってんの!」
「…いや、意味が分からない。ていうか可能性とは?」
「可能性は可能性よ。例えばわたしは神話に書かれたイザナミのその後の可能性の1つよ。無限に存在するイザナミの1つがわたしって事」
「……こんがらがって来た」
「でしょうね。要するに、神話なんて所詮人間の想像に過ぎないから、実際どこで何やってるかってのはそれこそ神のみぞ知るって訳。たまたまツクヨミの可能性の1つが人間として生を受けていたという事ね。だからあなたは特別なの。神は死んでも黄泉には来ないし。あなたがいた世界は能力がある世界だったけど、あなたにはそれと別にある現象があったでしょう?」
「ああ……」
「それは神の可能性全てが持つ『恥部』よ。ちなみにこれはあくまでわたしが『恥部』と呼んでるだけだけどね」
「なぜよりにもよって恥部……」
「これからあなたを元の世界に戻すわ。あなたが求める『元の』世界にね」
「え?じゃあ、消滅は……」
「無いわ。元々そんな物は存在しなかったのよ」
「そんな物って、ゼロとか、アイツとかか?」
「そいつらの存在が証明できない以上無いと思っていいでしょ。でも、わたしもただあなたを元の世界に戻してもわたしにメリット無いし、代償は払って貰うわよ」
「代償?」
「何か置いてって」
「…………」
俺が選んだ物は……。
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