第10話 俺は少しずつ報われていってるんですかね?
それから、俺は生徒会と共に色々な仕事をやっていった。
最初の内は、あまりうまくはこなせなかった仕事も次第にこなせるようになっていき、やがて能力を仕事に使う様になると、その効率はぐんぐん上がって行った。
そうしてる内に、気づけば、少しずつ俺に話しかけてくる生徒や教師が出て来た。
「お疲れさん」
「頑張ってるな」
「何か手伝おうか?」
仕事を始めてから1ヶ月程で、俺に対する周囲の目は、少しずつだが確実に変わって行った。
「良かったら一緒に飯食わねえか?」
「これから遊びに行くんだけど、お前もどうだ?」
「いつもありがとう」
2ヶ月が経つ頃には、俺にも少しだが友達と呼べる相手が出来ていた。
生徒会の面々の事も大分解ってきた。
ユキヒメ会長は普段は清楚で優雅なお嬢様だが、毎日4時になるとゴーストプリンセスになったり、能力を使ってイタズラするお茶目な所もある。ソー・キュート。
リンカ副会長はよく運動部の助っ人をしている活発で明るい人だ。…ただどうもアホの子な所もある様で……あとよくミハル先生を抱きしめている。マキ姉と同じタイプか……………。
リラ会計先輩は本当に普段はくーすーぴー…と寝てばかりいるが、いざ会計となると電卓をめちゃめちゃ高速で叩き集計を終了させる。うちの母が見たらきっと驚くぞ。植物が好きな様で、生徒会室にもいくつか彼女の育ててる草花が鉢植えとして置かれている。校庭の花壇も彼女が世話している。
……………で、もう一人、チュー…なんとか書記先輩はというと……………。
「がるるるるるるるるるるるる……………」
今日も今日とてめっちゃ睨んで来た。牙剝いて威嚇までしてきた……………。
しかし流石に俺を追い出す様な事は諦めた様で、しぶしぶといった感じで一緒に働いてくれている。
その代わり……………。
「なあなあ…今日の3人の下着は?」
「……………」
呆れながらも、俺は透視能力を解除してチェックしてみた。
「ユキヒメ会長はベージュのヘム。リンカ副会長は黒のバックレース。リラ会計は白地にピンクの横縞のスキャンティーですね」
「ぶほっ!」
先輩は前から殴られたかの様なリアクションをとってかがみこんだ。
「い…いいじゃねえか……………これからも頼むぜ、後輩…(サムズアップ)」
それに俺もサムズアップを返しておいた。
本当単純だ、この先輩は。もっともパンティーについては適当に言ったので実際に彼女たちが今履いているのとは違うのだが…。
そんな日常を送っていて、もうすぐ夏休み……………って所で事件は起きた。
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