第43話「ホワイダニット」


「……ぱぁ?」



 前回のあらすじ……つまり、雫が悪い。



「いや、だってさ……結論としてはハウダニットよりも、ホワイダニット。

 つまり、行動を起こした僕よりも、膝枕にダイブさせるという行動を起こさせた『雫が悪い』ってことだよね?

 なのに、あたかも勝てもしない誘惑に負けただけの僕を責めるのはおかしいと思うんだよ」


「ちょっと、歩……。

 あ、貴方は一体何を言っているのかしら……?」


「雫!」


「ひゃ、ひゃい!?」


「今から『誘惑罪』と『名誉棄損』で、お仕置きをします!

 理由はもちろん分かるよね……?


 雫が僕をその『おっぱい』と『膝』で誘惑したからです!


 覚悟の準備をしておいてください!

  今から雫の膝にダイブします!

   匂いも嗅ぎます!

    僕の頭も問答無用でナデナデしてもらいます!


 膝枕の準備をしておいてください!

  雫の膝枕は最高です!

   その膝に僕の顔面がぶち込まれるのを楽しみにしておいて下さい!

 ……いいですね?」


「あ、歩……待って! は、話せば分かり合えるわ!

 というか、よく考えると何かがおかしい気がするのだけど――」


「問答無用! いただきまーす!」


「せ、せめて、うつ伏せでダイブするのは勘弁し――ひゃ、ひゃぁああああああああああああ!?」



 結局、その後……僕は屁理屈によって雫を言いくるめ、再び雫の膝枕を堪能することが出来たのだが……。



「あぁ~、僕って寝返りをうたないと寝れないタイプなんだよねぇ~」



 仰向けなら恥ずかしがっている雫の表情を眺めることが出来ると思ったんだけど……



「ちょ、歩! 寝返りは禁止って言ったでしょ!

 貴方、寝返りの振りをしてまたうつ伏せになって私の膝に顔を埋めるつもりでしょ!?

 ――って、匂いも嗅ごうとするなぁああああああああっ!」



 まさか、その表情が雫のおっぱいで見えないのは予想外だったなぁ……。



「っん……もう! 歩は大人しく、仰向けで私の膝を堪能していればいいのよ!

 ふ、フン……!」



 ――うん、実に良い下乳だ。


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