第41話「おさわり厳禁」
「わ、分かったわよ……。膝枕すればいいんでしょ!?
こ、この私が『膝枕』くらいでひるむような女じゃないって証明してやろうじゃないのよ!」
前回のあらすじ、このあと雫と『どこまでならギリギリ恥かしいか?』という協議を重ねた結果『雫の膝枕体験コーナー』のレギュレーションは以下のとおりに変更となった。
・紳士として、素肌へのおさわりは禁止。
・寝返りはうっていいものとする。
・膝枕の時間は十分間だけとする。
・雫が本当に嫌がるような行為は禁止。
因みに、ここまでレギュレーションを整えて内容を確認した僕の感想は――、
なんか、これ何処かの『風●』みたいだな……。
と思ったのは内緒だ。
「じゃあ、雫。覚悟はいいね……?」
「ええ、例え歩の卑怯な口車に乗せられたとは言え、この私は『学校一の美少女』よ!
その私が『いい』といったからにはその言葉に嘘偽りはあってはならないわ!
た、例え……この『学校一の美少女』である私の神聖な膝を枕にして、ぼっちの歩がその欲望のままにどんなに蹂躙しようとしても……
わ、私の気高い心は汚されたりはしないんだからね!」
そういう、雫の表情は何処となく上気して、少し嬉しそうにも見えた。
え、何これ……そういうプレイ的なあれですか?
まったく、誤解しないで欲しいなぁ……。
あくまでこの雫の『膝枕』という行為は、雫が僕と恥かしいと思うスキンシップを重ねることで、人前で僕と恋人のフリをしても、
『恥かしくないもん!』
――と、言えるようにするための行為であり、それ以外にやましい感情なんてこれっぽっちしか存在しないのさ!
「じゃあ、雫。今から寝っ転がるよ」
「ええ……い、いつでも来なさい!」
既に雫は図書室の床に座って、僕に『ここに頭を乗せなさい』と言わんばかりに膝を軽く叩いた。
僕はそれを見た後……仰向けになるように、ゆっくりと図書室の床に体を寝っ転がして――、
「…………」
「……っ!」
そして、後頭部が雫の膝に乗っかる瞬間、思いっきり体制をうつぶせに変更した。
「
「ひゃ、ひゃぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
次の瞬間、僕の後頭部に雫の拳骨が降り注いだのは言うまでもない。
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