第40話「膝枕」
「ひ『膝枕』って、どういうことよ!?」
前回のあらすじ、雫が僕に膝枕をしてくれるようになった! ゴマダレ~♪
「どういう意味も何も雫が――、
『む、胸を触るのだけはまだ絶対にダメなんだからね!?
でも……膝枕くらいなら、いいのよ……?』
――って、誘ったんじゃないか!」
「絶対に言ってないわよ!?
私が言ったのは歩が提案した『手を繋ぐ』や『見詰め合う』とかならしてもいいって言ったけど……」
「実はあの時、僕は『手を繋ぐ』や『見詰め合う』とか『膝枕』でもいいんだよ?
って、言ってたんだけど雫は覚えてないかな?
そして、雫は『さっき、歩が言ったやつならしてもいい』と言ったんだよ?」
「言ってないわよね!?
あの時、歩は『膝枕』なんて選択肢言ってないでしょう! 本当に言ったというのならここに証拠を見せなさいよ!
証拠があるというのなら、流石に仕方ないけど……
もし、証拠がなくてそんなことを言うのなら――」
雫がやけに抵抗するので、僕はひそかにポケットに入れておいた録音状態のスマホを取り出して、その録音の一部を再生して雫に聞かせた。
『別に『おっぱいを触る』って言ったのは言葉のあやで、雫が恥ずかしいと思うことなら『手を繋ぐ』や『見詰め合う』とか『膝枕』でもいいんだよ』 ← 録音した音声
「…………」
「……ドヤ」
録音を聞いて雫がフリーズしてしまったので僕は止めとばかりに先ほどの雫の発言も再生してあげることにした。
『証拠があるというのなら、流石に仕方ないけど……』
「…………」
「証拠……あったね♪」
「わ、分かったわよ……。膝枕すればいいんでしょ!?
こ、この私が『膝枕』くらいでひるむような女じゃないって証明してやろうじゃないのよ!
さぁ、歩! この私の膝枕が欲しいと言うのなら存分に味わいなさいな!
べ、別に……歩程度の存在に膝枕を許したくらいで『学校一の美少女』である私の価値はこれっぽっちも落ちたりしないんだから!
逆に、歩が私の膝枕を味わうことでその魅力に取りつかれ依存してしまう恐れがあると言えなくもないわね!
だけど、私が歩に膝枕してあげるのはこの一回限りよ!
つまり、もし、歩が私の膝枕に取りつかれて依存してしまったとしても、貴方はこの一回の膝枕を最後に私の膝枕を求めてやまない体になってしまう恐れがあるのだけどそれでいいのかしら?
もし、それでもいいと言うのならここに座りなさいな!
さぁ! さあ!」
……いや、雫の膝枕に取りつかれて依存するって……雫の膝枕は一体どんな『薬物』なのかな?
だけど、雫がそこまで言うのなら……
いいだろう! その挑戦受けてやる!
「雫……本当に膝枕してもらっていいんだね?」
「も、もちろんよ!
そ、それより、するなら早くしてくれるかしら?
図書室の床に座るのって少しお尻が痛いのよね……」
「え、痛くて気持ちいい……?」
「そんなこと言ってないでしょう!?」
「分かったよ。じゃあ……
いただきしゃす!!」
「掛け声がおかしくないかしら!?」
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