第29話「女王様」



「前回のあらすじ……雫がドMだった」



「ちょっと! 私に変な属性つけないでくれるかしら!?」


「雫、どうしたのさ? 大丈夫だよ……。

 例え雫が『ドM』だとしても、僕はそんな強がって誘い受けしちゃうような雫を応援しているさ……」


「だから、勝手に私のキャラを捏造しないでくれる!? 

 んもう……歩ってば、この『学校一の美少女』である私が――」


「胸の谷間をわざと見せてく喜ぶ……」 ボソ


「――ドMなんてあるわけがないでしょう?

 まぁ、確かに私は絵に描いたような美少女ですから?

 『ぼっち』の貴方がそんな寂しい妄想にふけるのも仕方ないとはいえ――」


「私もそういう妄想をされるの嫌では……」 ボソ


「――なくもないけど? でもね!

 歩がどんなにいやらしい眼差しと妄想で私を汚そうとしても――」


「ちょっと、体が火照るだけで……」 ボソ


「この完璧な美少女である私にとってそんなのへでも――って、歩ぅううううう!?

 何をドサクサにまぎれて変なセリフを継ぎ足しているのよ!

 一度ぶん殴ってあげるからこっちに来なさい!」


「ひぃいい!? し、雫が『ドS』にも目覚めたぁああ!?」


「誰が女王様よぉおおおおおおおおおおおおお!」



 あ、そういう知識はお持ちなんですね……?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る