第4話
昨日は死ぬと書いたが、今日は出来るだけ生きたいと思っている。人間なんてそんなものだ。
幼い頃、自分は何かを成し遂げられる人間だと思っていた。周りのヤツらとは違う。自分の考えや価値観を押し付けてばかりで人の話を聞かず、失敗して自業自得のくせに他人に責任を擦り付けてくるクソみたいなあいつらとは、俺は違う人間なんだと。
そう思っていた。
いつからか、女として生きることは、相応しくなくなった。
俺だって本当は、キラキラした女性になりたかったさ、本当は。
自分を守るため、ここまで生き延びるために身に付けたすべが、男のような強い性格を、演じることだった。
身に付けた訳では無い。人間は急に変われない。
ほんの12年前。俺の所だけかもしれないが、まだまだ激しい男女差別が続いていた。
俺は女だから馬鹿にされ、女だからいじめられ、女だから自殺した。
馬鹿げてるが仕方ない。男に産まれていれば、俺はこんな気狂いにはなっていない。
…19歳にもなって何を書いてるんだろう、俺は。
性別なんて関係ない。関係無いんだぞ。
女に産まれて、割と良かったよ。
…そんなこと言っても、もう覚えていないか。
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