第22話誘拐22

「幸次君の無事を祝って、乾杯!」


「「「「乾杯」」」」」


 本当によかった。

 敦史君達四人は、無事にお母さんと親父さんに引き取られることになった。

 俺が母国を通して圧力をかけた事もあったが、お母さん達の尽力がよかった。

 長年かけて築いてきた地元の信頼が、行政を大きく動かした。


 まあ、誘拐事件とリンクしたので、日本中で長く大々的に報道されたのも大きい。

 実の母親と内縁の夫による虐待。

 誘拐事件。

 山田さんの五億円身代金建て替えの漢気。

 誘拐組織に警察官が加わっていた事。


 全てがマス塵に反政府報道ネタを与えた。

 だが実際には、牛島刑事以外の犯人は、某半島国人だった。

 マス塵は外国人犯罪組織の暗躍と報道したが、全員が日本の永住権を持っていた。

 牛島も親の代に日本国籍を取得しているから、元某半島国人だった。

 だがその事をマス塵は一切報道しない。


 下劣極まりない事だが、マス塵は反日反政府の報道テロ組織だ。

 そんな報道テロ組織が世論を誘導するから、この国はどんどん悪くなる。

 母の母国で、永住したいと考えているだけに、腹立たしく思う。

 いっそ有り金はたいて叩き潰してやろうかと思う。


 まあ、そんな事はこれから考えればいい。

 今は敦史君の幸せを祝って飲み食いすればいい。

 お母さんと親父さんは、子供が好きな料理をテーブル一杯に並べてくれている。

 一匹丸々香ばしく焼き上げたローストチキン。

 子供用に大蒜を使わない鶏のから揚げ。


 豪華な鯉の丸揚げ餡掛けも並んでいるが、子供達には怖いようだ。

 大人達は喜んで食べているが、子供達は目を背けている。

 レバニラ炒めがないのは残念だが、子供には回鍋肉の方が食べ易いのだろう。

 幸次君が美味しそうに頬張っている。

 花子ちゃんは肉団子の甘酢餡掛けがお気に入りのようだ。


 敦史君は嬉しそうに三人の世話をしている。

 光男君の眼が釘付けになっていた、ローストチキンをお母さんに切り分けてもらい、美味しい腿の部分を光男君に食べさせていた。

 俺としたら、敦史君にも我を忘れて満腹になるまで食べて欲しいのだが、敦史君にとっては、三人が美味しそうに御腹一杯食べる姿を見るのが、何よりも幸せなのだろう。


 この幸せを護るために、俺達にはやらなければいけないことがある。

 腐れ外道のマス塵をシャットアウトする事だ。

 実母と情夫から引き離す助けにはなったが、これ以上付きまとわれるのは、敦史君達にとって害悪にしかならない。

 マス塵の屑共は、金になるなら子供達の心を繰り返し傷つけても平気なのだ!


 人権擁護委員会や弁護士会と連携して、これ以上敦史君達に付きまとわないように戦わなければならない!

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