幕間

幕間2

娘はすくすくと成長した。そして悪魔ともどんどん仲良くなった。

 しかし娘には悪魔の他にもう一人大好きな人物がいた。

 それは母親だった。

 娘の母親はいつでも優しくて、いつでも娘のそばにいてくれる。そんな母親が娘は大好きだった。

 しかし悪魔はそれを良しとしない。悪魔は娘には自分だけを見てほしいとそう願った。願ってしまったのだ。

 そして悪魔は娘に母親のあることないことを吹き込んだ。

 母親は娘が大きくなったらそばにいてくれなくなる。どこかにいってしまう。

 だから母親を信用してはだめだ。信じられるのは自分だけだよ、と。

 悪魔は娘は自分の言うことであれば信じてくれると、そう信じ切っていた。

 しかし娘は悪魔と同じくらい母親のことも大好きだった。

 だから娘は悪魔の言葉を拒絶した。悪魔の言葉を否定したのだ。

 悪魔にはそれが信じられなかった。娘が自分よりも母親を信じたことが悲しかった。悔しかった。

 悪魔は激怒した。悪魔の愛情はゆがみ、ねじれ、おかしくなっていった。いやそもそも悪魔の娘への愛情は元々ゆがんだ愛情だったのかもしれない。

 そして悪魔は。

 娘と母親を引き離し、娘を自分だけのものにしようと決意した。

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