第2話 節分

 ある節分の日のことでした。

「鬼は、外―!!福は、内―!」

「何をしているの、いろはさん。」

「あぁ、たーさん。今、節分の豆まきをしていたところです。・・あ、鬼は、外!!」

ばさーっと、たーくんの顔に派手に豆が当たりました。いろはちゃん、中々の豪腕のようです。

「・・・・僕は、鬼じゃないけど。」

「すいません、顔が鬼のように醜かったもので。」

「いろはさん、それオブラート三枚くらいに包んで。」

本当に落ち込みそうなたーくんにいろはちゃんは

「大丈夫です。たーさん、そんなたーさんが私は好きですから。」

「いろは、いで。」

笑いながら、豆をぶつけました。そんないろはさんが好きですよ。そんなことはどうしても言えないたーくんなのでした。


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