砂時計

「砂時計」




さらさら

さらさら

時を刻む

さらさら

さらさら

時に触れる

さらさら

さらさら

時の砂に


踏破するはずの

道の砂を

集めたように


ゆっくりと砂は

僕の足元に

降り積もる


やわらかくて

やさしい

時のぬくもりに

体を委ねよう


赤ん坊が

母の胸で

眠るように


少し無理をしていた

心に

のしかかったままの

負荷を

さらに重くしていた


孤独は

時に

心地よさをもたらすが

時に

寒くて心が縮む


あの目も

あの声も

僕の前に

隔たりを作り

孤独を募らせる


それも

心の負荷に

よるものか

自分を責めて

さらに重く


さらさら

さらさら

時を刻む

さらさら

さらさら

時を浴びる

さらさら

さらさら

時の砂を


時の砂に

ゆっくりと

触れる時間を

あの人やこの人は

作ってくれた


僕は

孤独という荷を

おろした




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