第160話「第五部の登場人物」

――新生アージ魔王国


 剣の魔将ナブリオ 四十歳


 アージデビルという魔人の長。

 血のように赤い目に白い肌。

 強大なる力を持つ魔剣を有しているため、剣の魔将と名乗る。

 知勇兼備の魔将であり、総軍団長にして大宰相を務める。

 脳筋が多いアージ魔王国領内においては、数少ない戦略のわかる魔族の長。

 魔王フネフィルを立ててはいるが、新生アージ魔王国を実質支配しているのはこの男。


 槍の魔将ブラッド・マン 百九十七歳

 

 近衛軍団長を務める。

 串刺し公ブラッド・インペイラーと呼ばれる巨大な魔槍を手にする。

 実力でナブリオにはやや劣るが、アージバンパイアと呼ばれる吸血鬼の一族の長である彼も、沈着冷静な勇将である。


 弓の魔将アリモリ 二百五歳。


 遊撃軍団長を務める。

 種族は、アージスカルアーチャーと呼ばれるアンデッドの弓師。

 慎重にして狡猾。

 やや慎重すぎて臆病な嫌いもあるが、彼も魔王の血筋を引く魔族の長であり、戦いに際しては覚悟を決める。

 付きまといし殺意デス・ストーカーと呼ばれる身体よりも大きな魔弓を装備しており、その一撃は必ず命中するという特徴がある。

 その攻撃は、矢というよりはもはやホーミングミサイルである。


 斧の魔将クロコディアス 十八歳


 先鋒軍団長を務める。

 アージクロコダイルマンという魔族の長。

 ちなみにアージクロコダイルマンも魔王二十四種族の一つであり、クロコディアスも魔王となる事のできる血筋である。

 恐ろしいワニ人間だが、実は経験不足の若武者であるため血気にはやることが多い。

 強大な腕力を持ち、巨大な魔斧クラッグ・クラッシャーを操る。

 その魔斧の一撃は、岩山をも砕くと言われる。


 魔王フネフィル 六十歳


 その正体は、弱々しい老神官であった。

 古代エジプトの白髭の痩せた老人。

 冥神アヌビスより死者の書ペレト・エム・ヘルゥを授けられて、ミイラ兵を無限にわかせるというとんでもない可能性を秘めた神力を有している。

 しかし、それしかできないというピーキーな能力者。

 戦後は、復興にその力を発揮することとなる。


――新生アダル魔王国


 魔王ケイロン 四十歳

 

 栗毛色の長い髪。

 筋骨隆々たる巨大な半人半馬のケンタウロス。

 ケンタウロス族の長であり、彼もディオニソス神によって予備の使徒として十個の加護と星神の弓サジタリウスを授けられていたが、極端にこだわりがなく忘れっぽい性格のため、いざとなればディオニソス神の使徒として戦えと言われたことはすっかり忘れていた。

 とりあえずアダル魔王国を治めてみたものの、すぐ魔界の深淵から滅竜帝シュウドウが攻め込んできた。

 一戦して、自分には無理だと感じたためアダル魔王国の支配権をタダシに譲って助けを求める。

 さっぱりした武人であるが、さっぱりしすぎている大人物。


――奥魔界


 滅竜帝ガドー 三千三百歳


 奥魔界最強の四帝竜の一人。

 力のみを追い求める古竜族の中でも一番の武闘派で、その剛直なやりようは古竜にも受けて付き従う竜も多い。

 残忍なガドーは、その付き従う古竜たちを使い潰して顧みることがなかった。

 ただ力のみを追い求めて神を倒したタダシを屈服させようとしたガドーは、タダシによって滅ぼされる結果となる。


 神竜帝ショウドウ 一万六十八歳


 奥魔界最強の男にして、四竜帝の取りまとめ役。

 一人は、白髪で白い髭の品の良さそうな老人。

 色鮮やかな竜の文様が入った中国武術の道着のような服を着ている。

 一万年前の神話の時代から生き残っている唯一の転生者でもある。


 転生に際して、寿命というものがなくどこまでも成長する竜種を選んだ変わり者。

 惑星そのものを破壊するほどの力を持ち、その気になれば世界征服もできるがそんなことに全く興味はない。

 ただただ武術に明け暮れて、永久に強くなることを望んでいる。

 神を超えたいというのも一つの目標でしかなく、更にその先を目指している。


 金竜帝エンタム 二百二歳


 四帝竜に一番最近成り上がった若手のホープ。

 金色の髪をパンクロッカーのように逆立てた美男子であり。

 ジャラジャラと金の鎖の付いた、やたらファンキーでゴージャスな革の服を着ている。


 そのような形に人化しているのは、音波を利用した攻撃を得意とするからであったのだが。

 最近では、音楽の方に凝りだして目的と手段が逆転しつつある。


 紅竜帝キトラ 五百十七歳


 奥魔界一の美少女を名乗る、四帝竜の紅一点。

 頭に兎耳うさぎみみを付けておりバニーガールとチャイナドレスをあわせたような際どい衣装を身に着けている。

 胸は大きく、小股が切れ上がっていて健康的な太ももが眩しい。


 このような形に人化したのは、子を産める女にとって美貌も強さであると考えているからだ。

 最初は、シュウドウをいずれその相手にと考えていたのだが、相手は武術バカの老人であったため誘惑は成功しなかった。

 幸いなことにシュウドウを超える強さを持つタダシに出会うことができて、キトラの予想通りさらに強い子孫を産むこととなる。

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