第27話 新人ボッチと愛の試練。

 丸で狙い済ました様に俺の天使タミィちゃんへの告白に対してそうは差せぬとばかりに邪魔に入って来るギルド職員の自称紳士ロリコン野郎。


 タミィちゃんに頭を下げながら俺の隣にシャシャリ出て来て同じ姿勢を取ったギルド職員の自称紳士ロリコン野郎をチラ見する。


 ぬっ自称紳士ロリコン野郎も此方を見やがった。


 俺と自称紳士ロリコン野郎のチラ見の視線が絡み合う。


 ニチャ~と自称紳士ロリコン野郎の口元が三日月の様に歪み笑みを作る。


 くっ!? コイツ分かって俺の天使タミィちゃんへの告白を邪魔しに来やがったな。


 自称紳士ロリコン野郎の口が言葉を発する事無くパクパクと動くのが見えた。


『お前に天使タミィちゃんは渡せね!!』だと!?


 口の動きから自称紳士ロリコン野郎が俺を挑発するのが分かった。


 くっ、此れは戦いだ。


 素晴らしい天使メスを巡った餓えた野獣オス共の人生を掛けた恋の駆引たたかいだ!!


 負けぬ! 俺は断固負けぬ!!


 こんな自称紳士イエスロリータ野郎何かに負けぬ。


 何だよ自称紳士イエスロリータって、丸で日曜朝の大きなお友達向けアニメ番組のプリ●ュアシリーズのタイトル見てなお邪魔虫何かに負けてたまるか!!


 お前らは俺の天使タミィちゃんの人生にで関わるんじゃねぇ!!


 散れ!! 天使タミィちゃんの目の前から何処か遠くに散ってくれ。


 頭を下げ右手をタミィちゃんに差し出す俺と自称紳士ロリコン野郎のギルド職員は互いに牽制し合いながらもジリジリとタミィちゃんへとにじり寄って行く。


 うぉ~燃え尽き程にヒィ~ッとぉ!!


 天使タミィちゃんのハートに刻み込む様にビィ~ッとぉ!?


 届け俺の思い!!


 玉虫色タマムシイロ過剰愛失笑オーバードライブ!?


 そして俺と自称紳士ロリコン野郎は互いの譲れぬ愛の思い込めてジリジリと天使タミィちゃんに気持ち悪い動きでにじり寄った。


 長考ちょうこうするかと思われたが、時間と共にジワジワとにじり寄って来る俺達の愛の圧力(?)に耐えきれなく成ったのか、差し出した俺の右手をガシッと掴む手応えが有った。


 ヤッタァー!!


 天使タミィちゃんは俺の方を選んでくれた。


 ざまぁ!! 自称紳士ロリコン野郎ざまぁ!!


 勝ったぞぉ~俺は勝った。


 オスとして天使メスのハートにガッチリ食い付いたぁ~。


 しかし天使タミィちゃんの手何かゴツいな。


 しかも力めっちゃ強いし生命力プラーナ使えなきゃ普通の人は握り潰されちゃうぞぉ~?


 まぁ俺に取っては此の程度の握力は問題無いけどね。


 これも俺と天使タミィちゃんの相性が良い証拠だぜぇ。


 俺は天使タミィちゃんに握られた自身の右手に沿って下げて居た頭を上げる。


 タミィちゃんのゴツい指から太い手首に毛むくじゃらの腕へと・・・何か野性的ワイルドだな天使タミィちゃんは・・・そして・・・ゴリラの様な肩と胸筋に?・・・猪の様な極太の首?・・・凶悪犯の様な・・・恐っかない顔っ!?


「お義父さん?」


「誰がお義父さんだぁ!!」


 Oh~!! お義父さんが握る俺の手に掛かる握力を増したYO!!


 まぁ未々俺なら耐えられる。


 同じ様に差し出した手をお義父さんに握られた自称紳士ロリコン野郎は、電車の自動扉に鞄が挟まってしまい必死に成って挟まった鞄を抜こうとするサラリーマン見たいに成ってる。


 上下に掴まれた手を振って抜け無いと。


 おっ今度は足をお義父さんに引っ掛けて、掴まった手を引っ張るか?


 ゴキャッ。


 そうこうして居る内に自称紳士ロリコン野郎の方から骨の潰れる様な鈍い音が聞こえてきた。


 同やらお義父さんの握力に耐えきれなかった様だ。


 お義父さんが掴んで居た自称紳士ロリコン野郎の手を放して遣ると潰れて五本の指が全て在らぬ方角を向いて居た。


「のぉ~~!!」


 自称紳士ロリコン野郎は目を潰された時の俺の様に潰れた手を押さえてギルドの床を転げ回った。


 ふっ情けね野郎だぜ。


 しかし何故お義父さんは粋なり俺と天使タミィちゃんの告白タイム中に割り込ん来たんだろうか?


 まぁ! まさか・・・お義父さんも俺の事が・・・す、好き!?


 ポッ。


「おい、ドルフ嫌な独り言をブツブツと呟いて勝手に頬を染めてるみたいたが、其の気持ち悪い考えは辞めろ。

 俺は女房と娘一筋だからな。

 それとお義父さんは辞めろ!!」


「えっ!? 俺今、独り言ってました?

 あちゃ~ソロ活動ばっかしてたから独り言が身に着いちゃった見たいですねお義父さん。」


「驚くのは独り言の方かよ。

 独り言の内容の方を気にしろ。

 つうか余裕だな、お前。」


 お義父さんは俺に向かって告げると自称紳士ロリコン野郎の手を握って居た手も使い、両手で俺の手に力を加えて来た。


 おっ!! 更にお義父さんが掴んだ手に掛かる握力が上がったか、しかし未々余裕だな。


 まぁ俺は此のお義父さんが課したタミィちゃんへの愛の試練を乗り越えて見せる。


 そして初の彼女ゲットだぜぇ!!


「お義父さん!!

 此のドルフめ、必ずやお義父さんの御期待にこまえましょうや。」


「ぐぬっ化け物めぇ~貴様の様な馬鹿に娘を遣る分けにはいかぬっ~!!」


 ハッハハ~お義父さん分かってますよ。演技ですね!


 お義父さんは適正検査試験の時もそうでしたもんね。


 良く漫画やドラマの演出で彼女の家に彼氏がお伺いして「娘さんを僕に下さい!!」って言った時に、良く「駄目だ、駄目だぁ!何処の馬の骨かも判らぬ貴様に大事な娘を遣る分けにはイカン!! 娘を欲しくば此のワシを倒して行けぇ~!!」て奴ですよね。


 もうお義父さん本当演技派!


 娘のタミィちゃんもそんなお義父さんの演出を見て感動ですよ。


 そしてお義父さんと言う障害を乗り越えてタミィちゃんと真実の愛を築く俺。


 カ~カッケェ~、もう愛は障害が在る方が燃えるって言いますからね。


 此の試練に立ち向かう俺を見てタミィちゃんもきっとおめウルウル小股おまた濡れ濡れでメスの顔ですよ。


 ぐひひひ~辛抱たまらん。


 待っててねタミィちゃん。


 そんな気持ちで俺は、熱の隠った目で観ているで在ろうタミィちゃんをチラ見する。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る