第21話 触れ得ざる者、其の名はボッチ。

 クソッ!! 


 同やら俺は誤解を解く為の唯一の機会で在る弁明スピーチを失敗した様だ。


 弁明スピーチで話す順番を間違ってしまい。最後に話す筈だったウイットに飛んだ冗談ジョークを先に語ってしまった事で、俺を取り囲んで居た聴衆で在る先輩護衛者達の俺に対する誤解が渦巻いてしまった。


 しかも悔しい事にと言った俺の冗談ジョークに対してじゃ無いのかと言ったを返して来たのがアンデット野郎のバル只一人だけだったのだ。


 しかも・・・で・・・。


 バルの奴は俺のウイットに飛んだ冗談ジョークを完全に理解して咬まして来た訳では無かったのだ。


 クッ、恐るべしは天然者だ。


 脳ミソが腐ってるのは伊達では無いと言う事なのか、アンデットめぇ。


 まぁバルの奴の才能てんねんに関しては妬ましく悔しい思いが在りはするが同時に素晴らしいと称賛したくも在る。


 何せ養殖者ようしょくもので在る俺には到底真似の出来ないだった事は認めるしか無い。


 見事な天然野郎のに対して俺は悔しさ半分に、お返しとばかりにあざと可愛い笑顔テヘ舌出ペロしながら右手の親指をさむずあっぷてたグッドサインを繰り出してアンデット野郎のバルに称賛を送ってしまった。


 悔しいがバルの奴の天然と言う笑いの才能は称賛に値するモノだと俺は心から考えたからだ。


 しかし其の判断が大きな間違いへと繋がって行く事を、此の時の俺は知らずに居たのだ・・・くそぉ~。


 バルのに対してあざと可愛い笑顔テヘ舌出ペロした俺の姿を見た諸先輩方達で在る護衛者一同がドン引きして騒ぎ出したのだ。


「何でバルの方を見て舌出してヘラヘラ笑ってるんだあの新人?」


「あ、アレはきっとお前を殺すって言うサインじゃねぇか?」


「ひっ! 辞めて下さいよ。」


「ま、まさにバルの言う通り、危ない人なのか?」


「えっ!? あの新人って関わっちゃ行けない人?」


「触るな危険!? 劇物? 其れとも危険物な人!?」


「ふわぁ~基地きちガイなの!?」


「OH!! アンタッチャブル!?」


 人の気も知らないで散々の事を言い出す先輩護衛者達に流石の礼儀正しい温厚な俺も怒り大爆破だ。


「くらぁ!! 誰がキ〇ィさんだ。

 其の名称は辞めろの人に作者が著作権で訴えられんぞ!!」


 怒鳴る俺に先輩護衛者達は一斉に反論して来た。


「誰も〇ティさん何て言ってねぇぞ新人!!」


「サンのリオの人って誰だよ新人!!」


「著作権って何だ!!

 此の国の法にそんな権利はねぇぞ新人!!」


「やっぱりバルの奴の言う通りアンタッチャブルな奴なのか新人!!」


 絵に描いた様に俺に向かって一斉口擊いっせいこうげきして来る護衛者達。


「ファッ!? 

 いたいけな新人を捕まえて暴言に寄る数の暴力とは!?

 いくら先輩護衛者と言えども許せねぇぜ!!」


「おう新人!遣ろうってか?

 良いだろう其の喧嘩買ってやんよ。

 なぁ皆なぁ!!」


「「「おうよ!!」」」


 売り言葉に買い言葉で護衛者組合ギルド内で俺は先輩護衛者達と取っ組み合いと言う名のまで語り合った。


 そしてギルド内での取っ組み合いが始まり、其の数十分後にギルド職員に寄って建物裏で説教して居たホップズと説教されて居た副ギルド長のダタンさんが呼ばれる事に成った。


 やって来たホップズとダタンさん二人の目の前には、取っ組み合いの末に俺を取り囲んで居たバルを含む先輩護衛者達全員をノックアウトし勝利に酔って拳を高々に掲げ叫ぶ俺の姿が有った。


「フォ~~壱番ぁ~ん!!」


 勝利の雄叫びを上げる俺の背後から冷や水を浴びせる様な声をホップズが掛けて来た。


「ドルフ君ちょっと何が有ったのか話しを聞かせて貰っても良いかな?」


 背後へと振り向いた俺に対してホップズが冷たい微笑みを浮かべてダタンさんと他のギルド職員達を引き連れて遣って来て居た。


「依頼で上位連中や実力者が出掛けて居無かったとは言え・・・まさか新人で在るドルフの奴が、残ってた此の数の中位と下位の連中を全員伸しちまうとはなぁ・・・ドルフ。」


 ホップズの直ぐ後ろに居たダタンさんは頭痛がするのか右手を頭に当て顔をしかめて居る。


「あ、ダタンさんにホップズさん。」


 二人の姿を見付けた俺は掲げていた拳をそっと隠す様に降ろして二人の方へ笑顔で向き直った。


「話を聞かせて貰えるかなドルフ君。

 此の状況と倒れて居る連中の惨状は一体何が原因なのかな?」


 威圧感の在る冷たい微笑みを浮かべながらホップズの奴が聞いて来る。


 ヤベェ! 此処は隠し事無しに素直に話して置くかと思った俺は聞いても居ない事までペラペラと素直にホップズやダタンさんに話した。


「はい実は其処のアンデットが~」


 俺は足元で白目を向き口から泡を吹いて倒れて居るバルの奴を指差しながら掲示板を見に来たら絡まれた事などを順を追って話した。


「ドルフ君、良いですか。

 彼はアンデットでは有りませんよ。

 確かに不健康な顔色をしてスケルトン見たいな痩せポチでは有りますが、バルさんは優秀で、斥候が上手い中位護衛者ですよ。」


 ホップズが驚くべき事実を告げて来た。


 此のアンデットにしか見えないバルの奴が優秀な斥候の中位護衛者だと!?


 い、嫌ぁホップズの奴は見る目が無いからな・・・此のアンデットが優秀な訳が無い。


 しかしそんな事を言ってもホップズに対して俺の心証が良く成らないので誤魔化して措く事にするか。


「本当ですか? 

 俺はてっきりダタンさんがに此のギルドの建物の壁か柱にがアンデットに成ってさ迷い出たのかと思いましたよ。」


「おまっ!?

 ちょっと待て何いってんの?

 辞めろよそんな冗談!!」


 何故か俺がバルをアンデットと勘違いした事の説明を聞いて居たダタンさんが驚いて慌てて俺の口を閉ざそうとして来た。


 そんな狼狽える姿のダタンさんを見てホップズさんが後ろに控えるギルド職員達に眼で指示を出す。


「ダタン副ギルド長殿、今のドルフ君の話しに着いてちょっと別室で聞き取り調査をしたいとのですが・・・。」


 ホップズの奴がそうダタンさんに囁く、すると何時の間にかダタンさんを取り囲む様にして立って居たギルド職員達がダタンさんを捕縛する為に動きだした。


「ちょっホップズ!?

 冗談だよな!?

 お前らも・・・悪ふざけ・・・してるだけだよな?」


 ホップズさんとギルド職員達の只為らぬ雰囲気を感じてかダタンさんが青い顔をしてホップズに詰め寄る。


「いいえダタン副ギルド長殿、私は至って真面目ですよ。

 殺人と其の遺体の証拠隠滅の疑いが消える迄の間、そうですね少しだけ事情聴取・・・ゲフンゲフン・・・お話しを聞かせて頂けませんか?。

 おい、ダタン副ギルド長を拷問部屋・・・ゲフンゲフン・・・事情聴取室へ連れて行け。」


「「「ハッ!!」」」


「ちょっと(笑)、ホップズ?

 何の冗談だよ(戸惑い)。

 マジでお前らも辞めろよ(焦り)。」


「ダタン副ギルド長殿大人しくして下さい。」


「貴方には黙秘する権利が有りますが、黙秘する事で貴方が不利に成る事も有りますので注意して下さい。」


 ダタンさんを捕縛したギルド職員達がダタンさんの権利に着いて読み上げて行く。


「ち、ちょっ(笑)!?

 お前ら(苦笑)!!

 何だ其の目は、マジに止めろよ其の冗談(怒り)!!」


 捕縛されたダタンさんはギルド職員達の態度に軽く苦笑と怒りを露にして居た。


「冗談?

 我々は本気ですよ。

 ですから無駄な抵抗は辞めて大人しくしお縄を頂戴しろダタン副ギルド長。」


「ほらキビキビ歩く。」


「お前らぁ~(哀しみ)。」


 ギルド職員達に捕縛されたダタンさんが手荒く連行ドナドナされて行く。


 俺は項垂れて連行されるダタンさんを見送りながら、何故か副ギルド長のダタンさん寄りもホップズの命令に従いダタンさんを捕縛して居たギルド職員達の行動に俺はドン引きしてしまう。


「ダタン副ギルド長なら殺りそうだと前々から俺は思ってたわ。」


「俺も思ってた。

 だってダタン副ギルド長って何か犯罪者って顔してるもんな。」


「あぁ何人か殺って、こそっり真夜中に此のギルドの建物内の壁や柱に殺した被害者達の遺体を埋めてそうな顔をしてるもんな。」


 ダタンさんを連行しながら恐ろしい事を口々に話すギルド職員達・・・酷い。


「だ、ダタンさん。

 まさか人は見掛け通りとは言うけど、本当に人を殺めてギルド内の壁や柱に埋めて居たとは・・・。」


 感慨深めに連行されるダタンさんを

見送りながら俺はそう呟いた。


「何を言ってるんですか、貴方もですよドルフ君。

 さぁ君は此方の取調室に私と一緒に来て貰いますからね。」


「ファッ!!

 じょ、冗談ですよねホップズさん?」


「いえドルフ君、私は至って本気ですよ。」


 そして俺はホップズに連行される形で、ダタンさんとは別の取調室へと連れて行かれる事に成った。


 取調室ではホップズの手に寄って嘘発見器の様な魔道具などを手足に嵌められて色々と聞かれた。


 勿論俺はホップズの質問にに答えた。


 ホップズの奴は俺が質問に答える其のつど嘘発見器の様な魔道具の反応を観ながら首を傾げて居た。


 そして最終的にホップズからの事情聴取を終えた俺に対して何故か血液検査を受けさせれらる事に成った。


 俺の採血された血液を検査する中、ホップズの奴は検査をして居るギルド職員達に質問して居た。


「どうだ、血中からヤバいキノコの反応は出たか?」


「い、いいえ、彼の血液は至って健康な者の血中反応ですね。

 危険な薬物キノコを使用した痕跡は見られません。」


「マジか! 素なのか!?

 あの何を本気で言ってるのか訳が分からない言動は素で言ってるのか?」


「は、はい。

 検査の結果から言えば、彼は真面目に素で意味不明の供述をして居る様ですね。」


「あっちゃ~彼はガチの基地きちガイな人物だったのか!?」


「はい、どうやら検査の結果。

 素の危険人物アンタッチャブルの様ですね。」


 何か俺に対してホップズやギルド職員達が失礼な発言をして居た。


 チックショ~ホップズもギルド職員達も言いたい放題言いやがってぇ~誰が二頭身の口無し白猫のキ〇ィさんだ。


 あいつら全員、サンのリオの人に怒られれば良いのに!!


 その後ギルド職員達からの不毛な事情聴取を経て俺は釈放された。


 そんな可哀想な俺に対して、何故だか先輩護衛者達やギルド職員達は「危険物アンタッチャブル」と言う名のを叩かれる様に成ってしまった。


 げっ、解せぬ。


 それと無実の罪で捕縛されたダタンさんは、ギルド職員達から日頃の恨みなのか拷問と言う名の取調べを受け無事に冤罪で在ると分かった事で晴れて釈放された。


 だが捕縛されて居た間に何か有ったのか釈放後のダタンさんは、かなりやさグレて居た。


 ダタンさん可哀想に、いくら見た目が犯罪者ぽいからと言っても殺人の冤罪を着せられる何て酷い話しだ。


 本当にホップズの奴め滅茶苦茶しやがるぜ。

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