第154話 水着宣伝イベント・8

No154

水着宣伝イベント・8



 海水浴イベントでの準備でアンリエッタさんや冒険者ギルド、服飾師のレイリーンさんやマーマン種のスレイブさん達との連絡を取りつつ忙しい日々が続き、ついに海水浴イベントの当日になった。


 俺はいつも通りに目を覚まし身支度を整えて宿の食堂に向かった。

「おはようございます、ロゼッタさん」

「おはようさんだねっ! すぐに朝食を用意するからテーブルで待っていなっ!」

 俺は、空いてるテーブルに座り朝食を待った。


 ついに、ついに来たっ! 海水浴イベントっ! 美人、美少女の水着姿が見れるぞ! バタバタとした日が続いたけど、夏と言ったら、火水季と言ったら水着でしょっ!!....グフッ....グフフッ


 と、妄想を膨らませていたらロゼッタさんが朝食を用意してくれた。

「お待ちどうだよ。....あんた、変な顔して大丈夫かい?」


 おっと、顔にまで現れていた....まずは落ち着かなきゃな。


「はい、大丈夫です。朝食、ありがとうございます。それと、今日は浜辺でちょっとしたイベントが開かれますから良かったら来て下さい」


「なんだい、あれはあんたが絡んでるのかい? 街じゃちょっと噂になってるよ。色んな関係者が何やら動いてるってね」


 そうなの? 意外と話は広まっていたのかな?

「そうなんですか? 確かに関わっていますね。水着を着て海で遊ぶんですよ。鉄板焼きの出張店や露店も出ますから」


「海で......また、酔狂だね! 分かったよ、暇をみて行ってみるさねっ! しっかりと食べて行きなっ!」

 と、ロゼッタさんに今日のイベントを教えて朝食をしっかりと食べたら身支度を整えて浜辺へと向かった。


 マダラと一緒にメイン通りを歩き道の途中から浜辺方面へと話ながらいく。

「やっとこの日が来たな。頑張ったかいがあったよ!」

『ふむ、最近は忙しく動いていたからな。ワレもスレイブ達と水魔法やらをやっていたからな』


 この数日の間はマダラとスレイブさん達マーマン種の人達と、海水浴イベントでの魔法遊戯を練習していた。


「そうだな、最初は互いに初対面だったしマダラは従魔だからちょっと恐がられたしな。でも、練習をしていくうちになかなか様になってきてたじゃん?」


『うむ、最初は合わせ方が分からなかったのだろうが、今ではワレに合わせられるようになったからのぅ。なかなかに優秀な水魔法の使い手じゃぞ』


 へぇ、マダラが褒めるって事はそれなりに凄いからな。やっぱり、マーマン種の水魔法は一目置くぐらいなんだな。


 そんな話や鉄板焼きの話、露店の話をしながら歩くと海水浴イベントの浜辺に着いた。

 浜辺に着くとすでに露店主達が店の準備を始めている。さらには、冒険者ギルドの連中やアンリエッタさん達の姿も見える。


 俺とマダラは準備をしてる人達に声をかけた。

「アンリエッタさんっ! シンディさんっ! レイリーンさんっ!」

 と、主催のみんなと挨拶を交わしていく。


 アンリエッタさんとは鉄板焼きの出張店の料理人達も紹介したもらい今日は腕によりをかけて作ってくれると、言ってくれた。

 魚や肉が焼ける匂いに、貝に載せたバターの匂いが浜辺に広がるだけでお客は涎を滴しながらやって来るだろう。


 シンディさんは、浜辺周辺の警戒警備をしてくれる冒険者達を紹介してくれた。四人一組の三パーティーで、交代しながら巡回してくれるそうだ。

 今回の海水浴イベントでは飲み食い自由になっている事を伝えると、雄叫びを上げながら頑張るとやる気を出して言ってくれた。


 レイリーンさんは、自身の店の水着や生地職人を数名紹介してくれた。

 生地職人の人はマレアナレアの糸を発見してくれてありがとうと、言われた。どうやら、今まで扱った事の無い糸で新しい衣服を作れた事への感謝だった。


 レイリーンさんは、今回の海水浴イベントで水着の存在を知らせる為に友人知人に声をかけ、さらに同じ服飾師にも声をかけたくれたそうだ。できる限りの多くの人に知ってもらいたいと言ってくれた。


「皆さん、今日はよろしくお願いしますっ!」

 と、気持ちを込めて挨拶をした。

 その後は、海の魔物討伐をしてくれてるスレイブさん達のところに向かった。


 スレイブさん達は遠浅の海の中で各持ち場で討伐をしていた。

「スレイブさーんっ! おはようございますっ!」

 と、遠浅の端の方にいるスレイブさんに声をかけた。


 すると、スレイブさんはまるでサーフィンをするように水魔法で波を乗ってきた!

 まるで熟練のサーファーの様なボディウェアを着てる姿がカッコいい!


「おぅ、セイジロウ。すでにある程度は片づいてるぞ。浜辺にやってくる魔物は小物ばかりだからな。ついでに、魚介類も捕ってるぞ!」

「はは、手際が良いですね! それに、その水着姿は良く似合っててカッコいいですよ! どうですか、着心地は?」


「ああ、悪くないぞ。動きやすいし体の窮屈感も少ない。これが、セイジロウが考えた水着なんだな」

「えぇ、それが今回考えた水着です。他の皆さんも着てるみたいなので後で着心地を聞いといて下さい」


「わかった。みんな聞いておこう。もうしばらくかかるから準備出来たら知らせよう」

「分かりました、こっちもまだ準備中なんで後で集まりましょう」

 と、一通りの挨拶を済ませたら俺とマダラも準備にとりかかる。


▽▽△▽△△▽△▽


 それから数時間後にすべての準備が整い、いよいよ海水浴イベントの開催が始まった。


 俺もオーダーメイドした水着に着替えて浜辺へと歩いていった。水着に着替える簡易試着室は男女別に浜辺に用意されてる。

その他にも、救護室も用意されてる。


 俺は海水浴イベントに集まってくれた人達に集まるように声をかけた。

「みなさーん、イベントを開催しますから集まってくださーい!」

 と、すでに水着に着替えて準備を完了してる人達が集まってくれた。


 土魔法で簡易の台を作りその上に乗り説明を始めた。

「それでは、第一回海水浴イベントを開催します! 集まってくれた人達に感謝を伝えます。ありがとうございます! 今回は、鉄板焼き店の出張に露店主の皆さん。冒険者ギルドから依頼を受けた冒険者達、マーマン種の皆さん達と多くの方が集まりました」


 一段高い壇上から集まった皆を見ると、色とりどり、様々な姿の水着美人に美少女達が俺に注目してる。


「現在、遠浅の端までの安全は確保されてます。それと、万が一に備えて冒険者達には警備警戒を担当してもらってます。すでに水着を着用してる人は海に自由に入ってもらって構いません。そして、何かあればすぐに私と従魔のマダラに知らせて下さい。さらに、食事や飲み物は自由に食べて結構です。今回は、お金は一切かかりません! では、開催を宣言します!」


 と、マーマン種の皆が海へと駆けていき水魔法で波に乗りながら上空へと水魔法を打ち上げて派手なパフォーマンスを見せてくれた。


 それを見た皆は歓声を上げてさっそく好奇心旺盛な男女が海へと入っていった。

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