第152話 水着宣伝イベント・6

No152

水着宣伝イベント・6




 翌日、朝はテントの中で目を覚ましテントから出てマダラに挨拶した。

「おはよう、マダラ。昨夜は問題なかったか?」

『うむ、静かなもんじゃったぞ』

「そっか、なら朝食を食べたら早速オークの討伐に向かうか」

 と、昨夜のうちに作りおきした料理を食べてからオークの集落を探しだしに向かった。



しばらくオークの集落をマダラに探索してもらうとマダラが発見を報せてくれた。

『セイジロウ、ここから西に少し行くとオークの集落じゃ。数は三十匹ほどじゃな。一体だけ格が違うオークがいるが問題ないじゃろ』


「三十匹か....ちょっと多いな。マダラも手伝ってくれるか? 透縛鎖靭や黒衣透翼だけじゃ手に余りそうだ」

『そうか、なら撃ち漏らしたヤツはワレが狩ろうかのぅ』


「そうしてくれると助かる。狩ったオークは討伐証明を取るから分解せずに影の中に保管してくれ。まずは、魔法で先手を放ってから各個撃破していく。撃ち漏らしは任せたぞ?」

『わかっておる、準備が出来たならワレに跨がれ。手早く済ませるんじゃ』


 俺は、戦闘準備を確認してからマダラに跨がった。合図をマダラに送って走り出した。すぐに魔力を練り上げて魔法準備をする。


 少ししてオークの集落に突っ込んだ。すぐに初撃の魔法を放った。


「土槍乱弾っ!」

 さらに、

「水槍乱弾っ!」

 と、オークに向けて放っていく。魔法を放つとすぐにマダラから飛び降りて透縛鎖靭をオークに向かって絡ませて動きを封じていった。

 動きを封じたオークに次々と魔法を放ち討伐していく。


 すると、格の違う一体のオークが咆哮を上げながら透縛鎖靭から抜け出ようとするが、そんな柔な鎖ではない。一度鎖に絡み付かれたら抜け出るにはオークの力では無理だ。


 俺は、土魔法で土槍を生み出しオークの胸に向かって放つ。土槍はドグッと固い肉に突き刺さる音を出しオークの胸を貫いた。

 俺は、さらに周囲のオークをひたすらに討伐していき十数分ほどの時間でオークの集落を潰した。


 周囲を見渡し生き残りオークがいない事を確認しつつ、マダラの姿を探した。

「マダラっ! いるかっ?」

 と、少し声を張りながらマダラを呼んだ。すると、少ししてマダラが姿を現した。


『セイジロウ、撃ち漏らしたオークを狩ってきたぞ。四匹ほど戦闘のどさくさに紛れて逃げたのでな。それから、この周囲にはすでに魔物の気配はないぞ』


 やっぱり、数匹の撃ち漏らしがあったか....やっぱりまだまだだな。逃げた事にも気がつかなかったし。


「そうか、ありがとな。とりあえず、すべてのオークから討伐証明を切りとったら、後はマダラの糧にして良いから」

 俺は、血臭が漂う中でオークの討伐証明を手早く切り取りオークの集落をあとにした。


 おれとマダラはルインマスの街には戻らずに来る途中に見つけた川沿いにやって来ていた。ここで、魔法の訓練と天装具の訓練を行う為だ。

 今日はみっちりと訓練して明日ルインマスの街に帰る。


 俺は、さっそく訓練準備に入ることにした。

「じゃ、さっそく始めるかマダラはどうする? 適当に魔物でも狩ってくるか?」

『そうじゃな、セイジロウの訓練に邪魔が入らないように周囲の魔物狩りでもしようかのぅ。あとは、適当にやるわい』


「そっか、わかったよ。陽暮れまでには帰って来いよな」

『わかっておる。セイジロウはしっかりと訓練に励むんじゃぞ』

 と、言い残して駆けていった。


 俺は、魔法のイメージ力を鮮明にする為に剣や槍、盾などの様々な形を思い浮かべ形成していく。最初は、小さく丁寧に時間をかけて作り上げていく。


 それを何度も何度も繰り返していく。そして、休憩を挟みながら魔法の訓練をしていく。


 ある程度、魔法の訓練が終わると透縛鎖靭の訓練に入った。鎖を鞭のように扱ってみたり魔力で自在に操作したり。太さや細さを変えてみたりと色々とやってみた。


 この透縛鎖靭は魔力の伝導率が半端なく良い。少しの魔力で思いのまま自由自在に操作ができる。昔見たアニメで鎖を使うヒーローのようで訓練が楽しかった。


 気がついたら時間を忘れるほどに訓練にをしていた。辺りは陽が暮れ始めそろそろ夜営準備に取りかかった。テントを張り夕食の準備を始める。


 夜営の準備をしてると狩りからマダラが帰ってきた。

『セイジロウ、戻ったぞ』

「おかえり、マダラ。狩りはどうだった?」


『ふむ、なかなかに狩れたぞ。蜘蛛や猪、鹿に熊など充実した狩りじゃったな』

「へぇ、それなりにいたんだな。狩り過ぎてないよな?」

『当然じゃ。生態系を潰すような真似はせんぞ。それより、夕食は出来ておるのか?』


「これからだよ。マダラから道具と食材を出してもらわないと出来ないじゃんか。今夜は何が食いたい?」

『昨夜はカニじゃったからな。今夜は魚と貝にするんじゃ』

 俺はマダラの影から魚と貝類を出してもらい調理に取りかかる。


 マダラは焚き火の近くで寝転がりながら料理ができるのを大人しく待っている。俺は手早く魚を捌き鉄板焼きで魚と貝を焼いていく。焼いてる最中に鍋に貝と具材を入れてスープを作る。


 しばらく忙しく調理していきようやく夕食の準備ができた。

『良い匂いじゃな。セイジロウは冒険者より料理人の方が向いているのではないか?』

「それはそれで、嬉しいけどやっぱり異世界に来たんだから冒険したいだろ。まだ見ぬ景色や種族、違う国にも行ってみたいしさ」


 俺は、出来上がった料理を受け皿に盛り付けてマダラの前に用意した。

「今日は魚のバターソテーに貝のバター焼き。それと、野菜と貝のスープだ。足りなければ肉とかも焼くから言ってくれ。それじゃ食べようぜ」


 俺は、いただきますをしてから料理に手をつける。マダラは魚のバター焼きを食べていく。

 料理が足りなくなると追加で貝を焼いたり、肉を焼いたりしていった。


「マダラ、明日はルインマスに戻って海水浴イベントの進捗を聞いてから浜辺に行ってみよう」

『なぜ、浜辺に行くんじゃ? 魚でも獲りにいくのか?』


「いや、食から離れろよ。前に言ったろ? マダラにもイベントを手伝ってもらうって。マダラがどんな感じで海の上を駆け回るのかを見ておきたいんだよ。それを、見てからスレイブさん達と打ち合わせをしようかと思って」


『そうか、ならワレがどんな感じなのかを見せようではないか』

「今回の狩りでそれなりに魔力は補充出来たよな?」

『まぁ、問題ないじゃろ。今すぐにどうこうなるような魔力量が少ないわけではないからのぅ』


 俺は食べ終わった受け皿を水魔法で洗い片付けていく。


「なら、街に戻ったら頼むよ。また、合間を見て狩りに出かけるようにするから。それじゃ、夜の見張りを頼むよ」

『わかっておる』

 俺は訓練の疲れを癒す為に早めにテントに入って眠りについた。


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