第31話 獅子犬・マダラ
No31
獅子犬・マダラ
遺跡の地下にあった魔法陣が光り輝き、そして光がおさまり魔法陣の中心に現れた存在は、
「ら、ライオン?.....犬?...なん、なんだあれは?」
『おい、お前がワレを呼んだのか?』
「しゃ、喋った?!」
『間違っておるぞ、思念じゃ。我らは声を発しず思念を飛ばし語る。.....して、なにようじゃ?』
「おぅ、冷静なツッコミ....いや、.....ちょっと待って...下さい。まずは現状が理解できてない...」
『なんじゃ? お主が喚んだんじゃろ....お主の血でワレは喚ばれたぞ。ずいぶんと古ぼけた紋を使っておるが、【陽の民】の血が媒介になってるのじゃ。無下には出来なかろう』
「ひのたみ?.....日の国....日本を知ってるのか?」
『知るもなにもワレは【陽の民】を守る者じゃ』
「えっと、いまいち分からないんだけど?」
『お主も知っておろう、神の社を守護する者じゃ。獅子犬神じゃぞ』
イヤ、知らんがな。そんなドヤ顔?
あれか....狛犬か? でも、こんなに大きくなかったはずだけど....体高二メートルぐらい、全長にしたら五メートル以上はありそうだな。
しかも、足が六本あるし....毛の色も黒と白で斑模様で.....
『なんじゃ、そんなに見ても現状は変わらんぞ.....話が進まんな....ちと視るぞ』
と、その狛犬? の瞳が俺を見つめた。その瞳からは目が離せなかった。本の数秒間だけ瞳と目が合っていた。
『ふむ....お主【迷い人】か....それにワレが知る陽の国も今は日本と名を変えて文化も進んでおるか....』
「ちょ....あ.....あの....何か分かったのなら説明をしてもらえるか?」
『そうじゃの、すでにワレはお主に喚ばれた存在じゃ。血盟も済んでるからのぅ。....いいじゃろ、ちと長くなるが....話を聞くか?』
「あぁ、俺の理解が追いつかないが現状は理解したいな」
と、狛犬らしい存在から話を聞くことになった。
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現在は自宅にいる。結果から言えば無事にハルジオンの街に帰ってこれた。でだ、あの狛犬、【マダラ】と命名した。毛の色が斑模様だったから.....ネーミングセンスは無いよ! ちゃんと自覚してますよ......
マダラの話を聞くと、俺の血があの魔法陣。召喚陣なんだが、血を媒介として俺を守護する存在を顕現させたのがマダラだそうだ。
あの召喚陣は召喚者の魔力、または魔力を含む物体を使って、召喚者を守護する者を召喚するだそうだ。
今回はそれが俺の血だった。しかも、その血が問題だった.....のかはまだわからない。
通常なら、魔力で喚ばれた存在は勝手に盟約はされない。互いの存在を認識し合意の元で盟約が交わされる。
合意が得られなければ、喚ばれた存在は元の場所へと帰ることができるが、血を媒介として喚ばれたら盟約は自動でなされる。
マダラが喚ばれたのは、俺の血が【陽の民】だからだそうだ。その【陽の民】とは昔の言葉でいうなら日本人と同じ意味だ。
昔から儀式と呼ばれる術は血が使われていたそうだ。魔術、陰陽術、降魔術、口寄せ術、忍術、死霊術など。魔法が存在する召喚魔法もその例に入る。
俺自身は無宗教だと自覚してるが、すべての日本人は日本を作った神の比護下にある。日本人を守護する神の眷属の獅子犬が喚ばれたのは、必然らしい。
他にも理由があるみたいな事を言ってたけど難しくて理解出来なかった。カクリョがどうとか、イワトがなんちゃ、とか。
とりあえず頭がパンクしそうだ....
ちなみに、シグリウスのメンバーとは合流できて一緒に街に帰ってきた。冒険者ギルドの依頼もちゃんと完了したし報酬も渡したよ。
今日は、体力的に精神的にも疲れたからまた明日考える。休ませてくれ.....
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