第12話 フローラさんと勉強・午前

No12

フローラさんと勉強・午前





 今日は、フローラさんとの読み書き計算勉強会だ。今日の勉強会では、読み書き計算だけじゃなく魔法も教えてもらう。


 昨日の魔法は凄かった。もし、あの魔法が使えればプリンの販売にも役立つ。


 異世界ファンタジーでは定番の魔法だが、各世界によっては扱いが違った。

 この世界での魔法はどういうものでどのように発動させるのかが分からなければ、危なくて勝手な事は出来ない。


 でも、一度挑戦したんだよな。薬草採取の時に、それとなく詠唱したり、イメージしたりしたんだけど何も発動しなかった。


 体内にある魔力とかも探って見たけど、全く感じなかった。やっぱり、使えないのか?


 魔法が使えない異世界ファンタジーもあったけど....まさか、そっち系か?


 まだ、使えないと決まった訳じゃないから、聞くだけ聞いてみるか....


 と、現在冒険者ギルドにやってきました。


「おはようございます、アリーナさん。フロア長のフローラさんはいますか?」

「おはようございます、セイジロウさん。まだ、来てませんよフローラさん。今日は勉強会でしたね。先に案内しましょうか?」


「はい、お願いします。来る前に復習しときたいですしね」

「真面目ですね、セイジロウさんは。あまり根を詰めすぎないようにして下さいね」

「はい、ありがとうごさいます」


 やはり、受付嬢だけあって気遣いが嬉しいな。やっぱり、この優しさに男性冒険者はコロッといっちゃうのか?


 顔は可愛いしスタイルも悪くなく年齢も若いギルドの受付嬢。まさに、高物件。


 あの白い肌を触り、舐め回したらどんな声をあげるのか? あの受付嬢の服の下には、艶やかな肌があり柔らかな丘と小さな塔が...


 て、朝から飛ばし過ぎたな。これだから、中年は....


「さてと、バカな事考えてないで少しでも読み書きを練習するか....数字に関してはほぼ問題なく使えるから良いけど、文字がまだな....コレばかりは書いて読んでの繰り返しだな...」


 それから、30分ほどしてフローラさんがやって来た。今日の午前は読み書きの練習をして、昼を食べたら午後は魔法について教えてもらえる事になった。


「フローラさんは、どんな風に文字の読み書きを覚えたんですか?」


「そう...ですね、まずは単純に書きましたし、本を読みましたね。それから、写本をしました。写本の依頼を受けたり、面白い本があれば写本したり、魔法の教本を写本したりしましたよ」


「なるほど、それによって読み書きを頭と体で覚えたんですね」


「はい、そうです。まずは簡単な物から写本します。次に興味がある本を写本します。まずは、書き写す事ですね。そして、役に立つものは残し、要らないものは売りに出すのです」


「ほぅ、実利もとれますね。さすがは、フローラさんですね」


「誰もがそうやって覚えた訳じゃないですけど、わたしはそうやって覚えました。参考に出来るとこはセイジロウさんが決めてやってみて下さい。では、次はこっちを書いてみましょうか...ゆっくりで良いですから、まずは覚える事を意識して書いて下さい」


 こうして、自分から率先して勉強をしたのいつぶりだったかな....

 小学校や中学校では、仕方なくって感じでやっていたな。やらなければ怒られる、みんながやってるから勉強をする....


 高校でもそうだな。周りがやるからやっていた。無難に無理なく程ほどに....全然楽しくなかったな....


 いったい、今と昔で何が違うんだろう?今はこんなにも勉強が楽しくて仕方がない。


 ただ、文字を覚えるのがこんなにも楽しいなんてな....

 俺はこの世界に来れて良かった。下手な勇者召喚じゃないし、悪徳貴族の子供に転生したわけじゃない。


 ただ、普通に異世界転移? で良かった。この街に来れて良かったな。


「フローラ先生、出来ました!」

「今日は、気分が良いですけど何かあるんですかセイジロウさん?」


「いえ、ちょっと勉強が楽しくて....少しはしゃいでしまいました。そろそろお昼にしませんか?」

「そうですね、少し早いですがそうしましょう。今日は、セイジロウさんがお昼を用意してくれたんですよね?」


「はい、"森の恵み亭" でサンドパンを作ってもらいました。あとは、ビルドさん所の食事処でフライドポテトを食べましょう」

「分かりました、そうしましょう」


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「おい、セイジロウ。ずいぶんと余裕じゃねぇか? えぇ、フロア長と二人きりで昼飯か?」

「ビルドさん、違いますよ。今は、勉強を教わってるんですよ。読み書きですよ。で、今は食事中です。あまり文句ばかり言うと売り上げに貢献しませんよ?」


「わぁってるよ、ワイン割りでいいか?」

「フローラさんはどうしますか?」


「わたしも同じで良いですよ」

「なら、ワイン割りを2つにフライドポテトの小皿1つ下さい

「わかったよ、ちょっと待ってろっ!」


 ビルドさんは、からかいついでに注文を受けてワイン割りと人気のフライドポテトをすばやく持ってきてくれた。


「これが、人気のフライドポテトですか....」

「はい、熱いので火傷に気をつけて食べてくださいね」


 フローラさんは、まだ食べたことがなかったのか、もの珍しそうにしながら指でつまんでフライドポテトを食べた。


「っ!!...美味しいですね!」

「そうでしょう、シンプルな作りですが大人から子供まで食べれるのが良いですよね。ちょっと値段が張りますけど来年の今ごろは多分、レシピが公開されてるはずですから、街中で食べれるかもしれませんね」


「そうだと良いですねっ! 初めて食べましたけど、美味しいですよ。最初はあまり気にならなかったんですけど、フライドポテトが売られ始めてから、冒険者達の中で美味しいと評判を聞いてから気になっていて.....美味しいですねっ!」


 フローラさんはパクパクと食べている。指でつまんで食べるなんて女性らしくないと言われそうだが、そんな事はどうでもいい。美味しいのは正義だよなっ!!


 次は、バーガーか?


 俺たち雑談をしながら昼食を楽しみ、休憩を楽しんだあとは魔法の勉強に移った。

ちなみに、女将のアンさんが作ってくれたサンドパンも美味しくいただいた。


 葉野菜とベーコンをパンに挟んだサンドパンは、美味しかったがこのサンドパンも改善余地有りだなと思った。まだ、時間があるときに試してみよ....


 マヨマヨでいいか?

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