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七実の見つけた七花の秘密の日記帳。
その空色の日記帳を見つけたとき、七実はふふ。七花。やっぱり私たちは似た者同士の双子の姉妹だね。と思った。
なぜなら七実も七花に内緒で、ずっと日記をつけていたからだ。
七実の日記帳。
それはオレンジ色をした、ひまわりの絵が描かれた『太陽の日記帳』だった。その日記帳は、今、七実の背負っている白いリュックサックの中にしまってある。
なぜ、自分の日記帳を七実がこうしてリュックサックの中に入れて持ってきたかというと、その自分の秘密の日記帳を七花に見てもらおうと七実が思っていたからだった。
七花が消えてしまった、空の中にある空の王国にいくために、七実はどうしても七花の日記帳を最後まで読む必要があった。(そこにはもちろん、空の王国には関係のない、七花の秘密もたくさん書いてあった)
そのお返しというわけではないのだけど、こうして自分の日記帳を七花に読んでもらおうと思った。
そうすれば、最近少しだけ距離が離れ始めていた、私たちの間にある距離感が、昔のようにずっと近くなるのではないかと思ったのだ。
私たちは、そういうことをする、時期なのだと七実は思ったのだ。
それが七実が、自分の太陽の日記帳を空の中にまで持ってきた理由だった。
「よし。道順はあってるね」
七花の空色の日記帳を閉じて、七実は言う。
……思っていた以上に空の王国までの道のりは遠かった。でも、七花だって、この道のりを通って、空の王国まで行ったのだ。
なら、お姉ちゃんの私がくじけるわけにはいかない。
七実は白いリュックサックの中に七花の日記帳をしまうと、自分の両頬をぱん、と一度軽く両手で叩いてから、再び空の中の道を、上へ上へと、たった一人で歩き始めた。
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