第8ページ 再会はいつも突然に
昼飯以外に焼津が来てから変わった事と言えば、焼津と一緒に帰るようになったこと、そして委員長の雑用、もといお手伝いの人手が増えた事だ。
俺と委員長には世話になったからと焼津から言い出した事なのだが、雑用とはいえ人手が増えるのは有難いので、お言葉にあまえている。主に俺が。
俺がその女に出会ったのはクラスのゴミを運んで帰る
それは校舎裏での告白というよくあるThe青春の1ページだったのだが、普通じゃなかった。
どういう事かって?まず男女の容姿がびっくりするほど良い。ドラマのワンシーンですって言ったら信じるレベル。
そして男がありえないほど泣いてる。
「どうして僕じゃダメなんだァァァァ」
「何が気に入らないってんだよぁぁぉぁぁぁ」
といった叫びが響いてる。
相手の女は男に何が言うとさっさと帰っていった。
「えらいとこ見ちゃったぜ。帰ろう。」
その後委員長から遅いとお叱りを受け、焼津と帰りながら、あの告白の事を話すと、
「ああ、多分その女の子が函南さんだよ。僕も聞いた事あるけど、泣くまで必死な人もいるんだねぇ。」
「確かに美人ではあったけどなぁ。そこまで必死になるもんかね?」
「さぁ?それより葵君さ。その口ぶりからいってクラスの人あんまり覚えてない?」
「いや、そんなことはないぞ!委員長の件があって自己紹介ろくに聞いてなくてな。知らないだけだ!」
「覚えてないより重症じゃないか。委員長に言ってやろ。」
「いや、委員長にバレるのは面倒だから黙ってて欲しいんだが・・・。」
「いやぁどうしようかなぁ・・・。ところで僕行きたい店があるんだけどさぁ葵君」
「分かった分かった。その店で俺は何か奢ればいいのか?」
「あはは!別に奢らなくてもいいんだ。1人じゃ入りにくくてさ。一緒に来てくれればいいんだ。」
「まぁそれくらいなら・・・。」
「じゃあ決まり。今週の土曜でどう?」
「・・・分かった。」
焼津との約束の為に俺がやってきたのはすっかりおなじみ本郷市。
それで焼津が行きたかった店ってのが・・・。
「まぁメイド
このメイド喫茶GOSICKろっく本郷店はこのあたりでは有名なメイドカフェだ。不定期にメイドさんのバンドがライブをするそうで、メイド好きのみならず、ロックバンド好きにも有名なのだとか。
今日はライブは無いが焼津曰く、雰囲気を知りたいのだそうだ。
「じゃあ早速入ろうか!葵君。」
「へいへい。了解ですよご主人様。」
そんな俺達を迎えてくれたのは
おかえりなさいませご主人様の挨拶と・・・。
「「「あっ!」」」
メイドさんの函南美波だった。
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