第4ページ 力になるために
次の日、焼津航の聴き込みをする・・・予定だったのだが、
「私は少し予定があるので、それにこれ以上は聴き込んでも仕方ないでしょうし・・・。」
といって帰っていった・・・。俺に会議の代理を押し付けて。
「報告すべきことはコレに書いてあります。言われたことはココに書いておいて下さい。代理出席することは伝えてありますから。」
といって帰っていった・・・。俺に会議の代理を押し付けて。
大事なことなので2回言わせてもらった。
そもそもなんで代理が俺なのか?このクラス副委員長とかいないのか?せめて友達とか・・・。
あっ、いなかったのか。
「あのぼっち委員長め・・・。」
そう呟きながらやってきたのは『多目的室2』。
ここは多目的室をうたいながら実際のところ使用するのは生徒会の会議やら部活の会議で、生徒の間では会議室と呼ばれている。
今日は生徒会と各委員会の長、クラス委員長が集まっての会議だそうだ。
俺が会議室に入ると、部屋の隅の方の女子生徒が怯えたような悲鳴を小さくあげ、周りの生徒と話し始めた。
初対面のはずなんだけどなぁ・・・。
「遅れて済まなかった、会議を始めよう。」
入学式でしか見たことない生徒会長が入室し、会議が始まった。
会議はスムーズに進み、予定より早く終わった。思った以上に会議って形式化してるんだなぁ。
次の日、委員長に昨日の会議の内容を伝え、焼津についてどうするか聞くと
「これ以上は本人から話を聞くしかないでしょう。これは私がやりますからしばらく葵君は何もしなくていいですよ。」
との事なので気にはなるが思う存分直帰を満喫させてもらうことにした。
そんな日が続き世間はGW間近、今年は例年に比べ休みがないようで、予定がどうの、もっと休ませろという話がそこかしこから聞こえて来るようになった。
焼津は相変わらず不登校、進展はなかった。
委員長に話を聞くと、どうやら毎日放課後、焼津宅を訪れているそうだ。
「なぁ、正直もう厳しいんじゃねぇか?かなりクラスのカーストとか固まりつつあるし、時間がかかればかかるほど戻り難くなるもんじゃねぇか?こういうの。」
「わかっています。しかし・・・。」
「なんで委員長はそこまでこだわるんだ?そりゃここまで首突っ込んだら放置は出来ないだろうけど・・・。」
「・・・・・・それは、、、言いたくないです。」
「はぁ?言いたくないって、理由になってない・・・。」
「とにかく私は焼津君だけじゃなくて自分の周りの問題は見逃したくないんです!力になりたいんです!」
委員長の言葉に圧倒されてしまった俺は、それ以上何も言えなかった。
勝手な話かもしれないが力になりたいといった彼女の言葉のせいなのか、泣かせてしまった罪悪感からなのか、焼津の事が気になるからなのか。
その時の俺は
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