第3ページ 原因1

「わざわざごめんね委員長さん。遠かったでしょ?ココ。」


「いえ・・・。それほどではなかったですけど・・・。」


「それから君は葵君だね。初めまして。2人とも時間大丈夫?良ければお茶でもだすよ?」


「あっ・・・。ああそうだな頂いていくか委員長。」


「そうですね・・・。」


 焼津の対応に押されお茶を頂く事になってしまったが・・・。

 俺のイメージというか偏見もあるのだが、目の前にいる焼津航という人物は、不登校とかその類いの物とは反対にいるように思えた。何かを抱え込んでいる感じでもないし・・・。


「案外普通のヤツだな焼津。不登校には見えないが・・・。」


「まぁそうですね・・・。しかし上手く隠しているのかもしれませんし」


「お待たせ。コレ粗茶ですが。」


「・・・頂きます。」


 しばらく無言の時間が続いた。しかしそれに耐えられなくなったのか焼津が口を開いた。


「最近学校どう?なんかあった?」


「いえ・・・。特に変わった事はありませんよ!」


「そっか・・・。そんなもんだよね。」


 ・・・・・・空気重っ。言えねぇ、とてもじゃないがお前最近デスケルベロス12の1人になったぞなんて言えねぇ・・・。


「なぁ焼津は今何してんだ?昼間とか」


「軽く運動したり、ギター弾いたりしてるかな。別に外に出れないってわけじゃないんだよ!まぁその学校が少し怖いだけで・・・。」


「学校が?」


「あっ!遅くまで引き止めて悪かったね。プリントありがとう。」


「いえいえ。とんでもない!」


「・・・まぁまた来るわ。じゃあな焼津。」


 こうして焼津宅を後にした俺達は帰路についた


「焼津君、怖いって言ってましたね・・・。」


「ああ。」


「何が怖いのでしょうか?」


「・・・さあな。お前次最寄りだろ?降りないのか?」


「あっ!そうですね。また明日。」


「おう。お疲れ・・・。」


 焼津の言葉に疑問を残しながらこの日は帰宅した。

 次の日俺達は長泉先生に昨日の事を報告した。やっぱり教師より生徒同士のが話がしやすいのかもと引き続きの調査を依頼されてしまった。

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