第2ページ 焼津航
焼津航。藤丘高校1年。出身は隣町の本郷市の本郷西中学校。数少ない中学の同級生曰く元サッカー部で趣味のギターはなかなかの物。特にいじめられるようなやつではないという。
「まぁ入学1週間で不登校になっちゃ聞ける話も少ないよなぁ。」
「・・・ですね。クラスの方も知らないとか特に変わった様子はなかったとしか・・・。」
そもそもこの焼津の調査、始まりは委員長・・・。ではなく長泉先生だと言うのだ。
「まぁ客観的に全体が見れる先生でも原因が分からないとなると俺達生徒に探りを入れるのは分かるけどなぁ。」
「とうの私達ですらこの始末ですから・・・。」
「案外直接聞いた方が・・・。ってそりゃさすがに厳しいよな。焼津の負担になったら困るし。」
「そうですね・・・。まぁそれは最後の手段という事で、もう少し調べてみましょう。」
っとまぁこんな感じで調べてみた俺達だったが。案の定これ以上の収穫がないまま3日がすぎた。
この停滞した状況に痺れを切らしたのが委員長だった。
「この後お暇ですか?一緒に行きたいところが・・・。」
「スマンが新作の焼きそばパンの入荷がだなぁ」
この誘い方は危険だ。俺の勘が冴えに冴え渡っている。おおよそ焼津の家に行こうとかなんとか言い出すヤツだ。この泥舟に乗ってはいけない。
「私自己紹介の時・・・」
「分かった。分かったって何処へでもお供しますよ・・・。」
ちくしょう・・・。この泥舟に乗船しないなんて選択肢なかったんだ・・・。
かくして俺達は泥舟・・・。ではなく鉄道で本郷市にある焼津宅に向かった。
「しかし高校から向かうと結構かかるな本郷市。案外学校が遠すぎるからめんどくなったなんて理由だったりしてな。」
「ネコえもんのチビ太君じゃないんですから。あっあの家ですね。」
一応俺達はクラス代表として書類を届けに来た事になっている。いやどっちかといえばこちらの方がメインだ。
「こういうのってポストとかに突っ込んで終わりなんだろうけどなぁ。」
「今回の目標はそれだけではないのですから。ご両親からも何か聞き出せるかもしれませんし。」
そう言ってインターフォンを押す委員長。
足音がして開くドア
出てきたのはーーー
ーーーーーー焼津航本人だった。
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