第6ページ 恐怖と独り

 その日僕は久しぶりに学校へと向かっていた。葵君と遊んだ日から2日後、世間ではGW明け初週とあってどこか浮き足立っている気がした。


 久しぶりに乗った鉄道や駅からの通学路の景色はそれほど変わっていないはずなのに、なんだか全然違って見えた。

 学校に近づいていく程に息が上がり、心拍が早くなっているのが分かった。


 教室の前まで来た。やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい怖い・・・。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。





「焼津君!」


「・・・・・・・・・委員長。」


「お久しぶりですね!教室・・・入らないのですか?」


「あっいや・・・。久しぶりだからさ。なんか変な感じで・・・。」


「・・・・・・・・・!そうですか!とにかく入りましょ?もうすぐ先生が来ますよ。」


 こうして僕は委員長のおかげで、教室には入れたんだけど・・・・・・。

 1時間目、2時間目と過ぎてく内にだんだん気になるようになってきた。クラスの皆の視線、会話、きっと関係ないのだろうけど全て僕の事なんじゃないかと不安になる。

 4時間目にはもう僕は限界だった。授業もまともに聞けないし、今すぐここから抜け出したい。助けて・・・。誰か・・・。


「おーい、焼津?大丈夫か?焼きそばパン買いに行こうぜー。」


「・・・?!あっ葵君。あの・・・授業は・・・?」


「さっき終わっただろ?早く行こうぜ!」


「・・・・・・!うん!」


 たった今僕はあの日の葵君の言葉を信じて良かったと思った。

 この日から僕の独りじゃない学校生活が始まったんだ!









「なんで焼津が来るようになってから俺に舎弟が出来たって噂になってんだ?」


「あはは・・・。なんでだろうね?」

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