第6話「傾蓋知己」
「仲間を増やそうと思う!!」
カガヤ、千星は例の如く、セシルの家に集まっていた。
千星は両手を机に置きたらかに宣言した。
「どしたの千星?」
カガヤは疑問を投げかける。
「実はねカガヤさん、最近明らか
「なるほど、ってまだ神具ってあるの?」
「ええ、多くはないですけどね。」
少し困ったように笑うセシル。
「それで提案なんですけど、この町とは違う人を仲間にしたいのですけど。」
「え?なんで?」
「すでにこの町には3人います、今まではこの町でしか
なるほどと思いながらこの間の他校での練習試合を思い出す、あの時
「よくわかったセシル、拙者もそれに異論はないぞ。」
了解したと決めポーズをとる千星。
「けどどうやって探すの?」
「後日お二人にこの神具をもって探しに行っていただきたいのです、あなたたちが思う人がふさわしい人ですわ。」
セシルは前回出動したのだが、また体調が悪くなってしまいまたしばらく安静にするとの事なので、2人とも自分たちが探しに行くことをいやがりはしなかい。
「私たちがふさわしいと思う人って、そんなのわからないよ。」
「大丈夫、選ばれし人は運命に導かれ現れる。」
「OK!わかったよ、けど見つからなくても怒らないでよ。」
カガヤは笑顔でそう答えた。
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数回にわたりメンバー探しをしているカガヤ達、今日も他の街に来ている。
カガヤ達の町より少し都会な感じに笑顔にする。
「カガヤ真面目に探す気あるの!?」
「探してるよ?」
そう言うカガヤの両手にはクレープやジュースなど見える。
「仲間を探しに来たんだよ!食べ歩きに来たんじゃないよ!」
「いや~全然見つからないし、疲れたから甘い物も食べたいじゃん、千星も食べる?」
千星はしばらく止まっていたが、無言でクレープに口を付けた。
「・・・・・・おいしい。」
「でしょ、さぁ探しますか。」
「まぁ闇雲に探すしかない、しばらくはそのあたりを歩いてみよう。」
カガヤは頷き商店街に向かって歩き出す。
「千星的にはどこに仲間がいそう?」
「それがわかるなら苦労しない。」
川を挟んで通る道にビルが立ち並び、その間に小さいながら公園があり、子供たちがワイワイと遊び親だと思わる女性たちが楽しそうに談笑している。
「さすがにあの子供たちは無理だね。」
笑いながら通り過ぎるカガヤ達。
後ろでボールが跳ねる音が聞え、振りかえると子供の一人がボール追いかけガードレールをこえ川に落ちようとしていた。
「危ない!」
カガヤ達は気が付き走ろうとするが間に合わない。
「ッーー!!」
しかし子供の体は宙に浮いたままで、ガードレールから腕が伸びている。
そこには長身の女性が立っていた、髪は金髪で右側に髪を寄せ下向きに尖るように固まっている。
服は黒を中心にしたパンツルックでカッコイイという印象の服装だ。
女性は無言で子供を道路に連れ戻す。
「大丈夫?」
彼女は子供の体を叩きながら聞いている。
「う、うん。」
「あんたね!よく見て動きな!あのまま川に落ちてたらどうするの!!」
彼女は突然かなりの剣幕になり声を張り上げた。
子供は驚き目に涙をためている。
「ちょっと、誰よあんた、ウチの子になんなのよ。」
先ほどまで楽しそうに談笑していた女性の一人が彼女に早足で近づいていく。
「なんなのじゃないよ!子供が危ない目にあっているのに気が付いてなかったの!!」
「あんたに何がわかるのよ!他人が偉そうに言わないで!ほらいきましょ」
親がそう言って子どもを連れていく。
子供は連れていかれながら小さく”ありがとう”とつぶやいたのが見えた。
先ほどまで怒っていた金髪の彼女は笑顔になり手を上げてその場を後にした。
「・・・なかなか度胸のある
「決めた、千星あの人にしよう!」
「え!」
千星が驚き顔をしているのも気にせずカガヤは彼女の方に走り出してしまった。
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「んで、あたしに話って?」
あの後追い付いた2人は彼女に話を聞いてもらえる説得し、近くのファミレスにいた。
「まずは自己紹介をさせて戴く、拙者は上山千星、そして彼女は大塚カガヤと申します。」
「あたしは
「飯田さん!正義のヒロインって興味ないですか!!」
目を輝かせながら問いかけるカガヤ、あまりにも直球に質問したので千星は開いた口がふさがらないようだ。
「正義のヒロイン。なにいってるの?コスプレにでもさそってるの?」
その問いに動じることなく答える彼女。
「まぁコスプレっちゃそうかもだけど、真剣にこの世の平和を守るってお話です。」
「・・・帰るわ。」
「いやいや!もう少し詳しく!!」
「いやさすがに何言ってるのだよ、あたしこの後仕事もあるのにこんな話聞いてるって。」
顔に手をおきあきれる彼女。
「さ、最近うちの学校でこうゆうニュースがありまして。」
カガヤは自分の携帯端末の学校ニュースページを開いて見せた。
「えー謎の美少女戦士?あぁなんか近くの町で現れたって聞いたことあるけどこれが?」
「それがあたし達です。」
「・・・やっぱり帰る。」
同じように大慌てで引き留める二人。
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「へー本当に変身した。」
信じてもらう為、人気のない場所で変身するカガヤと千星。
「ん~、その姿になったら顔がよく見えない気がするんだけど。」
「あぁこれは認証していない人には私たちの顔がわからなくなるんですよ、そして!」
そういうとカガヤはジャンプをして見せたが、あまりの高さで壁を蹴りながら一気に屋上に登っていく。
「どうだ信じて頂けたか?」
「へーおもしろそうだね。」
金髪の彼女は驚きはしているがそんなに大きなリアクションはしない。
カガヤは悲しそうに地上に戻ってくる。
「んでその、フスマだっけ?それと戦うってこと?」
「
「ふーん、大変だね。」
相変わらず他人事、まだやってくれるとは言ってくれてないが、ここまで見せて手を貸してもらえないは痛い。
「お願いします!このままだと私たちだけでは手に負えなくなるかもしれなくて、手を貸してください!」
カガヤは思いっきり頭を下げた、それを見て千星も同じように頭を下げる。
「・・・気持ちは分かったけど、私も仕事があるから。」
そう言って千星から受け取った神具を手に取りあきれてるテイラ。
「きゃーーーー!!!」
突然叫び声が聞こえる。
「な、なに!!」
「とにかく確認だよ!!」
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人気のない場所から表通りに出た三人。
すると対象を悪くしたのか、人々が膝を付いて頭を抱えたり、倒れたりしている。
「な、なんだ?」
テイラは驚いて回りを見回してるが、カガヤと千星は違う方向を見ている。
「千星あれ!」
「あぁシャスマだ!!」
「え!どこ!って二人とも」
カガヤと千星はそのまま
「まずは角探しだ!!」
千星は地面を蹴り
「大塚流!!
カガヤがそう叫ぶと剣が燃え始め、大きく回転させた剣が右側のタイヤを三つとも切り裂いた。
『ゴォーーーー!!!』
バランスを崩した
しかし切り裂いたタイヤはみるみるうちに再生している。
「千星早くしてよ!!」
「外側には角は見当たらない!
千星は
すると中にはいくつもの
「
千星のその声を合図にしたように
「〇§¶§!!!」
幾つもの数の
スキをついて内部に飛び込んだ千星は、華麗に避け
「ΔΣ¶Θ!!!」
切り裂いても切り裂いても
「多すぎる、一度後退して!」
バンッ!!
千星が逃げようとした扉が
(やばい・・・)
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「千星聞こえる?千星!」
外で
(なにかあったのかな?)
不安に思ったカガヤは攻撃をはじきながら千星の入った扉を開ける。
中には達磨のような物が所狭しとせめぎあっている。
「千星ー!!」
カガヤが中に向かって叫ぶ。
するとなかに一匹だけ大きな
「すまぬ、つかまってしまった。」
その声を合図にしたように周りの
「くっ!!」
一体一体を剣で切り裂きながらもあまりの多さに距離をとり、
「ΔΣ¶Θ!!!」
飛び降りたカガヤに何体もの
「大塚流!!
カガヤを中心に剣が光り、
「多勢に無勢だよ!キリがない。」
急にカガヤの周りが暗くなる、背後に大きな
(しまった!!)
「おりゃーー!!!」
声が聞こえ、カガヤを襲おうとした大きな
「あんた!大丈夫!?」
助けてくれたのはカガヤと似た格好だが黄色でまとめられている。
「飯田さん!!なんで変身してるの!!」
そう突然現れた戦士は飯田テイラで、すでにキュオーンデアに変身してた。
「あんたらがコレ渡してくれてたろ、変身の仕方も見てて覚えていたからね。」
「ありがとうーーー!!!助かりました!!」
「とりあえずこいつをやっつけるんだろ?この変身の解き方ならってないからあとで教えてよ。」
カガヤはわかったと首を縦に振る。
「飯田さん武器を出して!武器よ現れよと願いながら出でよと唱えてください。」
「わかった!出でよ!!」
飯田の手に大きなグローブのようなものが両手に現れた、かなりの大きさで手を覆いながら肩まで伸びている。
「これがそうか見た目のわりに軽いね、これで殴るってか!」
そう言いながら周りの
「くそ二人になったのに、やっぱり数が多すぎる!」
カガヤと飯田は背中合わせになり
「ん?なんだ!・・・よしあたしに任せな!でや!!」
急にテイラが両腕を地面を叩きつけた。
ゴゴゴッゴオゴ!
次の瞬間地面が盛り上がりだした!
「キュキュ!!!」
盛り上がった地面が小さなゴーレムになり何体も現れ、各々に
「な、なんですそれ!!」
「急に頭に浮かんできて、これで大分対抗できるよ!」
気が付けばかなりの数のゴーレムが現れ
「飯田さん本体の
「よし!あの
ゴーレムたちが
2人はそこを通って
「どうやったらあいつを倒せるんだ?」
「あいつの体のどこかに角があるのでそれを全部破壊すれば倒せます。」
『ゴォォォォーーー!!!!』
「大塚流奥義!
カガヤは剣をふるい右手を切り裂いた!
「おぉすげー」
飯田は驚いてつぶやいた。
しかし今度は左手が二人に振り下ろされる。
「あたしだって、やってやる!!」
今度は飯田が左手に真正面から勢いよく拳をぶつける。
「飯田さんもかなりすごいですよ」
2人は千星が捕まっている扉を開ける。
「カガヤ~!ってえもう一人!?」
「説明は後ね!」
先ほどの1人とは違い、2人&ゴーレムで来た為簡単に
「千星、角は?」
「たぶんあの奥にある角だけだと思う。」
千星が指さした方に大きな角があり、そこから
「よし一気に行くよ!
カガヤがそう唱えると剣が光始める!
「大塚流奥義!!
そう叫び突っ込む・・・が、
ドガン!!
カガヤの行く手を遮るように、壁から腕が2本左右から生えてくる。
「なっ!!」
前しか見ていなかったカガヤは腕に捕まれてしまう。
「ドジった!!」
「任せろ!!」
今度は飯田が突っ込む!!
「飯田さん!!
カガヤのその声を聴きながらも、まだ2本の手が飯田を捕まえようとする。
「なるようになれ!
飯田がそう唱えると、テイラの武器が光り出す。
「いくぜ!!!」
すると武器の上部からエネルギーが放出され、まるでロケットの様に加速する。
「おらーーーー!!!!!」
勢いに任せて拳を前に向けると、防ごうとした腕をえぐるように吹き飛ばし、そのまま奥の角に突っ込む。
ドゴンッーーー!!!
角は砕け、テイラは奥のカベも壊し外に突き抜ける。
『ギャァァァーーー!!!!!』
「わ、あーー!!」
捕まっていたカガヤも千星も解放され、地面に着地する。
「すげーー、本当にやっつけた。」
テイラは自分の腕に付いた武器を見ながら驚いている。
「飯田さんありがとう。」
カガヤと千星がそばによってお礼を言う。
「いいよ、あとあたしを呼ぶときはテイラね、これからよろしく。」
第六話 完
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