第38話

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 一週間後の日曜日。この日も午前中にメンバー全員が集合した。

 秘密結社の挨拶からはじまったのだが、いつもと違ってなにか重苦しい空気が充満している。それを感じたのは金太だけではなかった。

「オレ、この1週間ずっと考えてたんだけど……」

 金太は先週みんなと別れたあと、ほとんど部屋にこもってジョージのことを考えていた。

 火曜日の学校帰りだった。金太はふとあることを思い出した。それは、先週みんなで小屋を出たときに人間をバカにしたようなカラスの行動だった。それをヒントに脱出方法を思いついたのだ。

「なあーに?」

 アイコが前のめりになって聞く。

「うん、じつは、オレなりにジョージを脱出させる方法を考えた」

「なんだよう、金ちゃん。早くみんなに聞かせてくれよ」

 ネズミはねだるようにして金太を急かせる。

「わかった。でもオレの作戦はオレひとりではとうてい無理だ。そこでまずはじめにデーモンに協力してもらわないといけない」

 金太は淡々と話しはじめた。

「もちろんだよ。だってぼくのせいでみんなに迷惑かけてんだから。で、なにを協力したらいい?」

 デーモンは納得顔で何度も首を立てに振りながらいった。

「オレが考えた作戦というのは、みんなが考えて来てくれたのがヒントになったのと、小屋を出たときのあの黒いカラスで思いついた」

 胸を張りながら自慢げに金太は話す。

「カラス?」

 ネズミが口を突き出して訊く。

 ノッポもアイコもデーモンも、まったく意味がわからないといった顔で金太を見ている。

「まず、カラスで思いついたのは、ジョージを空中搬送するということ。そこで、ジョージをいま流行のドローンで飛ばすんだ」

「そうか、ドローンという手があったのか。でもあれはリモコンだからアメリカまではとても無理だよ」

 ドローンを持っているデーモンは、操作した経験があるのですぐに反論する。

「そんなことわかってる。まだ細かく調べてないから詳しい計画を立てたわけじゃないけど、アメリカ行きの貨物船に乗せたらなんとかなるんじゃないか」

「ちょっと待って。それって犯罪になるんじゃないの」

 アイコは大きな目をさらに見開いていった。

「アイコのいうとおり見つかったらヤバい。でも考えてもこれしか方法がないんだ。

 もし、このまま日本に永住するとしたら、言葉も満足にわからないし、食事も自分で作らなければならないだろ。仮にできるようになったとしても、それまで誰かが面倒を見なければならない――ちょっと無理だろ。

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