平穏日和

数ヶ月して玄関から入って直ぐ見えるところに、家族四人と一匹の油絵が飾られた。








丘で描いたのに構図は記念写真の様になっていて、


中央の椅子に座る明日香がポムを抱っこしその回りを家族で囲む。








丘の回りを囲む様に公園になっていて、


ランニングをする人や、近くに住む人の憩いの場になっていた。






車を持たない深海家では、気楽に行ける娯楽スポットになっている。




普段は近くの公園や空き地に散歩に行くが、家族で遊びに行くのは、


大体この丘になっていた。






ポムが来るまでは電車で遠出をしていたが、犬連れだと色々制限が掛かる。






始めはそれでもポムが居れば良いと娘達も言っていたが、


やはり数年過ぎれば飽きてくる。






小学三年生になった明日香が驚く事を言った。


「別に、犬なんて…


飼いたくなかったんだからね。」

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