洋一自身凄く申し訳ない気持ちでいっぱいだった、


才能がなかった為に社長の恩に報いる事が出来なくて、




それなのに、こんなにも良くして戴いた事が…




自分がどれ程幸運で幸せな人間か痛感する思いだった。






結婚して今日子が生まれ、今度は美奈子の生き甲斐にしていた仕事まで奪ってしまった。






そんな事はない、私は本当に幸せよ、と言われてもやはり申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。






何時かは美奈子に仕事に復帰してほしいと願っていた。






今になって思えば卑屈になりすぎていたのかもしれない、


ただ今も筆を置くことはしないでいる、


まるでその事に意味があるかのように。






「どう、あなた…


描けてますか?」






「ああ、良い感じだよ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る