今日子と紗英は無言のままオレンジジュースを飲んだ。






「いーなー、うちも犬飼いたいなー」






「紗英何か飼ってなかった?」






「狸飼ってたよ。」






明日香が食い付く。


「え、お姉ちゃん狸飼ってるの。」






「あら、明日香ちゃんごめんねー、嘘だから気にしないで。」






「うー、嘘つき。」






「ちょっと紗英、私の妹いじめないでよ。」






「今日子にだけは言われたくないわ、


まぁ、インコ飼ってたけど…


逃げちゃって、凄い辛くて…


もう何も飼わないってその時以来決めたんだ。」






今日子も一緒に悲しい顔をした。


「そうだったね、そう言えば前に聞いたね…


戻って来るといいね。」






「えー、今更…


三年前の話だよ、今日子本当にあんたって子は。」






紗英は今日子のほっぺをつねった。






「いはい…いはいよ。」


本当は痛くなかったが、一応痛いと言っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る