洋一は美術館であった事を話してやり、飼い主が見付かるまで、家で預かると伝えた。






「家で飼いたいよ、お父さん。」


「パパー。」






洋一はまた困った顔をする、ちらっと夕飯の準備をする美奈子を見たが、上手く視線を合わせてもらえなかった。






「分かった、飼い主が見付からなかったら家で飼おう。」






娘達は喜んで騒いでい居たが、美奈子はどうなんだろうと思い、またちらっと視線を送った。






多分、もう仕方ないわね、と言いたそうな顔をしている様に見えた。






しばらくして、仔犬を床に下ろして食事をした、まだ段ボールに入れたままだったのが、何故か申し訳なく思えた。






「ねえ、あなた…


あの仔犬なんて種類なの?」






「うん、知らない…


皆は雑種って言ってたかな?」






「まあー、予防注射とかしないといけないから、動物病院で聞いて見るわね。」






「ああ、頼むよ母さん。」

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