ハルー


「……正直にか……


妖魔人に腹をやられてから、目を覚ますまで、ずっと悪夢の中にいた……何度もエリーに助け出されたけど、直ぐにあいつが現れて悪夢に戻されてた……」






デジャブ


「……悪夢か……」






ハルー


「ああ、悪夢の中で、もがいていた……でも、目覚める時タヌミューが俺の腹に入ってきた。」






デジャブ


「……タヌミューか、でも、あくまで悪夢の話だろ?」






ハルー


「いや、今の状態なのはきっとタヌミューのお陰だ、あいつの右腕にはタヌミューが残っていたんだよ……」






デジャブ


「…そうだな、ハルーの腹にはタヌミューが眠っているんだ……」






ハルー


「少し疲れた……寝るよ。」








デジャブは一人空を見上げる……








テントから、エリーが出てきた。






エリー


「わんちゃん…寝ないの?」






デジャブ


「私の名前は、デジャブだ……ウシガメ車で寝てたからな、まだ眠くならないな。」






エリー


「ねぇー妖魔人に詳しいんでしょ?神官とのやりとりとかで分かったよ……


ねぇーハルーはどうなるの本当のこと教えてよ。」






デジャブ


「……分からない…私にも分からない事だ……只、安定しているのと、悪化はしないだろう、と言うことは確かだ……」






エリー


「信じていいの?お腹にはまだ、妖魔人の腕が入ってるんでしょ?」






デジャブ


「形は変わり、完璧にハルーが勝っている、腹の一部が変色したその程度だ、私にもレアケースは分からない……エリー、君がいる限りハルーは人でいられるんじゃないか?」






エリー


「なによそれ……そんなこと言われても嬉しくないわよ。」






デジャブ


「別に、喜ばすつもりで言った訳じゃない……」






エリー


「じゃあ、おやすみ……わんちゃん。」








デジャブがエリーを見送りながら呟く。


「あいつ、名前覚える気ないな。」

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