神殿の前に馬車が用意されていた。




神官


「どうぞ、お使いください、差し上げます。」






ハルー


「こ…これは…」






荷台の前に繋がれた動物は……




なんと……




ウシガメだった、攻撃をしなければ温厚で力持ちで、草しか食べないウシガメは馬車に最適だった。






狼が荷台に飛び乗った。


「どうした?行くんだろ?」




ハルー


「…まっいいか。」






エリー


「わんちゃんも来るの?」







「私は狼だ……いや、名前を名のっておこう……


私の名前は……デジャブだ。」






ハルーとエリー


「……」








神官


「エリーさん、これを持っていってください。」






白、黒、黄、三色に染まった魔法石を受け取った。






エリー


「これは?」






デジャブ


「それは、三色玉だな、かなり珍しい品物だ、白は回復、黒は闇、黄色は雷とかだな、一色の魔法石の三つ分だという認識で構わないだろう……」






エリー


「そうなんだ…ありがとうございます神官さま。」






神官


「色々悪いことをしたからね、罪滅ぼしのつもりなんだが…」






エリー


「うん、結果が良かったから…気にしないわ、また来ます。」






ハルー


「じゃあ、神官さま急ぎますんで……はいよーうしがめー。」








ウシガメ車は走り出した、ゆっくりと。






ハルー


「お、遅い……」






エリー


「仕方ないわよ、ウシガメだもん。」






デジャブ


「せっかく名前を教えたのに、まぁ、いいか。」

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