妖魔人


「しまったー死んじゃったかい?


剣を放り投げるついでに、隙だらけだから刺しちゃったよ。」








ハルー


「ぐふ、ゴボ…」






妖魔人


「おいおい、あまり血をかけないでくれよ、まぁ、食べたらどうせ血だらけになるか、ガハハハ。」






ハルー


「…ふふふ、たった一本しかない腕を、使うべきじゃなかったな。」






妖魔人


「ん!?どうせ何も出来ないだろう、その汚い腕を離しやがれ、弱い人間よ。」






ハルー


「離さねぇー。」








ハルーの腹に力が入り、腕を固定する。






妖魔人


「このまま、お前を切り裂きバラバラに出来るんだぞ、離せば首をはねて楽に死なせてやる。」






ハルー


「…ごふ…」






背中に隠した短刀を取り出した、その事を妖魔人に気付かれる前に首と腕を同時に切断した。






転がる、妖魔人の首。


「ガハ。」








ハルー


「ぐふ、たぬ…みゅー。」






ハルーはそのまま倒れた。








………






「しまった、こっちに逃げていたのか…」






あの銀色の狼が現れた。






その時。






テントからエリーが出てきた。






エリー


「何…これ…何があったの?」






散らばるアイテム、その真ん中に倒れたハルーと人らしき遺体、付近は血だらけになっていた。




エリー


「ハルーー。」






エリーがハルーに駆け寄る。






エリー


「ハルー、起きて、ハルー、どうしたの?」






揺さぶれるハルーの腹がちらっと見えた。






銀色の狼もハルーに駆け寄った。


「これは…まずい。」






銀色の狼がハルーを背中に乗せた。






エリー


「ちょっと、何してるの?」






「説明は後だ、神官の所に連れていく。」






エリー


「ルイープニに行くの?ルイープニに行けば助かるの?」






「説明は後だ。」






そう言うと、銀色の狼が走り出した。

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