暫くして、ハルーは重い腰を上げた。




ハルー


「仕方無い、危険だと言うのなら、立ち去ろう、エリーを守るそれが俺が旅立ってから始めに誓った事だ……


何故一緒に来てくれたかは分からないけど、エリーがいてくれたから、俺は守る戦いをしてこれたんだ…


もし、エリーがいなかったら、命を無駄にする戦いをしていただろう……


そして、死んでいたに違いない。」








ハルーはゆっくりとエリーのテントに向かった。






ハルー


「痛っ…あいつ結界張ったのか?


痛いじゃないか…用心深いと言うか、何と言うか。」






結界の中には入れないから、仕方無くタヌミューに起こしてもらおうと回りを見渡した。






ハルー


「タヌミュー、タヌミュー?


あれ、どこ行った…」




その時、茂みから音がした。






ハルー


「タヌミューそこいるのかー?」






目の前に現れたのは、左肩から腕を噛みちぎられた、妖魔人だった。






「ぐへへ、餌があった、これで回復が出来る…あのやろう、待ってろよ。」






妖魔人の鋭い爪がハルーを襲う。






ハルー


「速い!?」






かろうじて剣で弾いたが、衝撃を受けて飛ばされた。






ハルー


「何て、強さだ…これが、妖魔人なのか?」






妖魔人


「そうだ、俺は…妖魔人だ。」






そもそも、この世界には魔物や魔法生物はいなかったという。




約五百年前に、突然現れた魔王により世界は滅ぼされようそうになり、その爪跡が魔物や魔法生物だということなのだが…それは、おとぎ話だとされている。






妖魔人とは、魔王が人を無理矢理魔物に変えた者とされているが、定かではない……


だが、何故その仮説が存在するかと言うと……


半魔人と呼ばれる、半分魔人半分人という、獣人の様な存在がいるのと、


邪教が妖魔人の肉片を人に移植して化け物に変えていたからだ。






妖魔人の強さは魔王に匹敵すると言われている。






ハルー


「本当に妖魔人なのか…これが忠告の意味か…」

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