デジャブ


「俺は、この村が嫌いだ、何も無い……


あるのは、枯れた畑、枯れた鉱山、本当に何も無い、こんな村で年老いて死んでいくなんて真っ平だ……」






ルイープニ周辺にある小さな名前も無い村、一人の少年が自身の運命を呪っていた。






小さな村の掟、これ以上住人を減らさないために、村から出ることを禁じられていた。






ある夜、嘆いた少年が村を出ていこうとした。








「待ってよ、ハルー…掟を破るの?」






ハルー


「ああ、エリー俺は、行く…もう戻らない。」






エリー


「勝手にしなさいよ、私はついていくだけなんだから…」






ある夜、小さな村から二人の若者が消えた。








………






数年後。








エリー


「炎よ、渦をまけーファイアー。」








火の渦が魔物を焼きつくし灰にする。






ハルー


「やるねーエリー。」






そう言った、ハルーも大剣を巧みに操り魔物を切り裂いた。






大陸の南にあるルイープニには神官がいて、冒険者たちに、身合った技や術を教えていた。






ハルー


「いやーエリーにこれほどの魔術師の才能があったなんて驚きだよな?」






エリー


「ハルーだって、ひも見たいな身体だったのに今は立派な剣士じゃない。」






ハルー


「何だよ、実は俺…魔術師になりたかったんだぜー。」






エリー


「えっ!?魔力ゼロの筋肉野郎なのに?」






ハルー


「なんだよそれ、あははは。」






二人は、小さな村を出てルイープニ周辺で冒険者としての鍛練をしていた。






掟を破った二人を追う者はいないのか、二人は幸せそうだった。






村を出て直ぐに、濃い焦げ茶色と薄い焦げ茶色の混ざったネコミューを拾い、それが、二人の命運を分け生かし続けてくれていたのだ。

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