急いで出口に向かうヤルモ、慌てるとろくなことがない。






来た道を忘れ、今の階をぐるぐるとさまよう。






古の遺跡の魔物は金属で出来ている事が多い、チェスの駒の様な形をした金属の魔物たちが、ヤルモを追い詰める。






ヤルモ


「やばいよー何で上級魔物がいるんだー、僕そんなに下ったのか!?」






ガチャガチャ、カキンカキン。




色々な金属音が遺跡を反響し他の魔物を呼び寄せる。






ヤルモ


「…絶対…絶命か…」






狭い通路にうごめく魔物たち、ゆっくりとヤルモを行き止まりに追い込む。






ヤルモ


「この魔物たち…分かってて追い掛けているのか?


行き止まり何ですけど…」






ヤルモが魔銃を構える、両手を前に出し魔力を込める、少しは魔力を回復させることが出来たが…この大群を相手にするには足りない…ちなみに全回復していても、ヤルモに勝ち目は無かった。






「キシッシャー。」






先頭にいた魔物が奇声をあげ突進してくる。






ヤルモ


「うわー。」








どん。






ゴロン…ひゅー。






魔物に体当たりされたヤルモは壁にぶつかりその壁ごと、何故か落下していった。






ヤルモ


「しーーぬーー。」






暗闇を落ちるヤルモは恐怖に勝てず気を失なった。






ぷに…ぷに…






ぷにゅ…ぷにゅ…






ヤルモが目を覚ますと、半透明な丸っこいのがほっぺを突っついていた。






ヤルモ


「…魔物?」






「違うミュー。」






ヤルモ


「みゅー?


もしかして…ネコミュー!?」






「ミュー?」








半透明だった生物に少しづつ色が戻る、三色の毛の丸っこいふわふわ浮かぶ生物になった。






ヤルモ


「ネコミュー…地上まで出たいんだけど、助けてくれるかな?」






ネコミュー


「…ミュー?……


分かったミュー。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る