どこだ、どこだ

暗くなった小屋の中では

いつの間にかドワーフのレリオンがランプに火を入れていた。


それはとても当たり前のように作業をしていて

扱いずらいこのランプのホヤをいとも簡単にずらす姿を見て

目の前にいる小人は昔からこの部屋に通っていたのだと実感する。


と。

彼は見頃の時間になったと言いながら

僕の作ったお気に入りのグラデーションのキャンドルを灯し始めた。


勝手にお気に入りのものを触られているのに

嫌な思いがしないのはなぜだろう。


構わず、僕はおばあちゃんの日記を読み進めた。


またどれくらい経っただろうか。


「これが星空の作り方じゃ」


僕はその声と同時に日記から顔をあげた。

声にならない驚きから、僕の全身に鳥肌が立つ。



息が止まるかと思うほど美しかった。


そこはただの空間ではなく

とても明るくて、小さくて、

キラキラとした空気が渦を巻いて漂っている。


その天の川のような空気の渦は、少しだけ開いていたドアの隙間から

すーっと外に流れていって、どんどん空へと昇っていった。


何だこれは。


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